前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【企業分析】フェローテックホールディングス(6890)

1.はじめに

今回も株探で本日の【イチオシ決算】*1として話題になったフェローテックHDについて、業績と財務を見ていきます。

2.事業概要

フェローテック半導体関連商品のメーカーで、主力製品は以下の8種類となっています。

  • サーモモジュール
  • パワー半導体用基盤
  • 磁性流体
  • 真空シール
  • 石英製品
  • セラミックス製品
  • cVD-SiC製品
  • 半導体用シリコンウェーハ
  • 装置部品洗浄

各製品の概要について、企業Webサイトで解説動画が公開されているので、興味があればそちらもご覧ください。

半導体不足のニュースは各所で話題になっており、将来有望と思える本企業の状況を確認していきましょう。

3.業績分析

5/14(金)に発表された2021年3月期本決算の内容から、過去の通期業績の実績と会社業績予想を確認していきましょう。

通期業績 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 81,613 91,312 105,000
(前期比) -8.80% 11.90% 15.00%
営業利益 6,012 8,730 15,000
(前期比) -31.50% 45.20% 71.80%
経常利益 4,263 7,317 13,600
(前期比) -47.10% 71.60% 85.80%
当期純利益 1,784 7,371 7,800
(前期比) -37.30% 313.00% 5.80%

2020年3月期は減収減益だった一方で、2021年3月期は大幅な増収増益に転じ、2022年3月期も順調に増収増益となる見込みになっています。

会社業績予想がある程度強気なのは良い事ですが、売上高の上昇率に対して営業利益の上昇率が大きすぎるのは少し気になるところです。これまで売上営業利益率は10(%)未満でしたが、今期の目標は14.29(%)となる計算でかなりコストを削減しなければ目標未達となってしまいます。

また、2021年3月期は特別損失を21億円計上しています。そのうちの一部は太陽電池事業の契約解除*2による物のようです。

イチオシ決算で紹介された理由は、本日開示された業績予想の上方修正があったからです。その内容は純利益が約1.5倍の123億円になるという物です。しかし、これは持分法適用関連会社の増資による会計上の利益で、実際に本企業に利益が発生したわけではありません。この話自体は2021年3月期本決算の決算短信にも以下の通り記載されています。

当社は、中国で展開している半導体ウエーハ製造会社の株式を中国地方政府および民間の投資基金等へ譲渡ならびに第三者割当増資を行った結果、同社は連結子会社から持分法適用会社となりました。それに伴い、持分変動損益(特別利益)が発生しております。

完全子会社から持分法適用会社となったことで、この子会社から得られる今期以降の利益は減少する可能があります。もちろん、増資の結果として子会社自身の利益が大きく向上すれば利益は増加することになりますが。

なお、この子会社は訴訟されてもいるようです。他国、それも中国の司法の話なので詳しいことは分かりませんが、少しばかりチャイナリスクを懸念せずにはいられません。中国以外にも海外拠点は存在するようですが、新中期経営計画を見る限り中国を非常に意識していることは確かです。

4.財務分析

貸借対照表キャッシュフロー計算書から財務も確認しましょう。

  • 営業CFプラス(前年比増加)
  • 投資CFマイナス(前年比減少) ※株式取得が大半
  • 財務CFプラス(前年比増加) ※借入は返済しつつ増資などで資金調達
  • 短期借入金が70億円減少。(約6割減)
  • 長期借入金が144億円減少。(約5割減)
  • 社債が78億円減少。(約4割減)
  • 有形固定資産合計が577億円減少。(約5割減)
  • 関係会社株式が207億円増加。(約9倍)
  • 長期貸付金が28億円増加。(約100倍)

お金の動きを見る限り、自社での生産拡大よりも子会社を増やして事業拡大を目指しているようですね。売上高に対して営業利益の伸びが高いのはこれが理由かもしれません。そうなると、なおさら中国傾倒によるチャイナリスクは意識しておく必要があるでしょう。

5.チャート分析

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コロナショック以降から綺麗な上昇トレンドになっていると思います。本日の決算ニュースを中立に見るとしても、しばらくはこのまま株価上昇してきそうです。翌日の寄りがギャップアップして始まるのなら、移動平均線からの乖離が少なくなるまで様子見した方が良いかもしれません。

6.まとめ

短期投資では、チャート分析の項目で書いた通り、少し様子見をして移動平均線との乖離が少なくなった押し目を狙っていくのが良いと思います。

長期投資では、すぐに飛びつかずに1Qの決算が発表されるまで待ち、1Qの売上高と営業利益から会社業績予想が適切かどうか考えた方が良いと思います。今回の上方修正の影響で、予想PERは8.3倍の超割安になったように見えますが、当初の業績予想から計算した13.9倍相当であると考えた方が良いです。

7.おわりに

半導体業界の企業だけあってラジオ日経でも株探でも良く話題になる本企業ですが、引っかかる点もそこそこ見つかりました。長期投資はともかくとしても、この綺麗な上昇トレンドには何処かで乗るかもしれません。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。