前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【企業分析】エアトリ(6191)

1.はじめに

今回は株探検索キーワード2位のエアトリについて調べてみようと思います。

2.事業概要

航空券予約サイト「エアトリ」はわりと知名度が高いと思います。私も使ったことはありませんが、聞いたことはあるくらいです。しかし、旅行事業以外にもいくつか事業を展開しているようです。企業Webサイトの事業系統図によると、6種類の事業に区分されています。

  • エアトリ旅行事業
  • 訪日旅行事業・Wi-Fiレンタル事業
  • ITオフショア開発事業
  • ライフイノベーション事業
  • ヘルスケア事業
  • 投資事業

3.業績分析

エアトリの本決算は9月で、昨年11月に2020年9月期の本決算の決算短信が公開されましたので、まずはその資料から通期の業績を確認します。

通期業績 2019年9月期 2020年9月期 2021年9月期
売上高 24,306 21,191 24,300
(前期比) 95.60% -12.80% 12.79%
営業利益 680 -8,760 1300
(前期比) -41.00% - -
経常利益 588 -8,956 1240
(前期比) -48.30% - -
当期純利益 729 -8,483 741
(前期比) -26.00% - -

新型コロナウイルス感染症に対する自粛の影響で、大幅な赤字に陥っています。減損による当期純利益の赤字計上ではなく、営業利益が大赤字であることに注意です。

一方で今期の会社業績予想は大きく回復する見込みになっています。これは甘い見込みというわけではなく、3/15と4/15に順次上方修正した結果なので、充分に期待できる数値なのでしょう。

では、実際の状況はどうなっているのか。2021年9月期の2Q決算が発表されているので、そちらも確認します。

2Q業績 2019年9月期 2020年9月期 2021年9月期
売上高 10,643 14,741 11,202
(前期比) 208.50% 38.50% -24.00%
営業利益 178 -1,332 2,001
(前期比) -77.40% - -
経常利益 140 -1,425 1,955
(前期比) -82.20% - -
当期純利益 145 -791 1,443
(前期比) -74.80% - -

売上高こそ前年同期比で減収となっていますが、驚くべきことに既に利益は会社業績予想を超過しています。2019年9月期(2Q)は1.6(%)だった売上営業利益率が、2021年9月期(2Q)は17.8(%)に急改善しています。まだまだ厳しい状況が続く中、素晴らしいコスト削減の成果だと思います。

ただし、この売上営業利益率の改善は注意しないといけないことがあります。損益計算書によると、営業利益の計算に「子会社の支配喪失に伴う利益」が、約6億円計上されています。そのため、現実的な売上営業利益率は12.5(%)だと考えた方が良いです。それでも、充分に素晴らしい業績だと思います。

旅行事業はまだまだ厳しい状況だと思いますが、各セグメントの売上と利益はどの程度でしょうか。確認しましょう。

オンライン旅行 2020年9月期 2021年9月期 (前期比)
売上高 13,653 9,931 -27.26%
営業利益 -473 1,394 -
ITオフショア開発 2020年9月期 2021年9月期 (前期比)
売上高 1,441 1,068 -25.88%
営業利益 53 613 1056.60%
投資 2020年9月期 2021年9月期 (前期比)
売上高 71 345 385.92%
営業利益 -243 435 -

あまり偏ることなく減収増益になっています。このコストの削減状態を維持したまま、アフターコロナの業績回復期に突入するとしたら、かなり大きく成長するかもしれません。

4.財務分析

大赤字の後だと気になるのは倒産の懸念はあるのかないのかという点だと思います。それでは2021年9月期2Q決算短信から、財務を確認していきましょう。

  • 資本金が約25億円減少。(約8割減)
  • 資本剰余金が約38億円減少。(約8割減)
  • 利益剰余金は約90億円増加。(黒転)
  • 有利子負債(流動負債)が約2億円減少。(約5%減)
  • 有利子負債(非流動負債)が約18億円減少。(約4割減)
  • 現金は約14億円減少。(約2割減)
  • 流動比率は約2倍、自己資本比率は約25(%)。

想像以上に財務は健全だと思います。利益は増加して負債は返済しているので、自己資本比率が前年の9.0(%)から21.1(%)まで改善しています。

しかし、開示情報を見ると、財務改善にはそれなりの痛みを伴ったことが分かります。新株(MSワラント)や社債を発行*1して資金を調達したり、純資産を切り崩して配当額を維持*2するなど、昨年8月頃から資金繰りに苦労していた様子です。

5.チャート分析

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2Q決算発表当日を底値に急激に株価が高騰しています。業績に沿った買いが入ってきているものと思いますが、直近は20日移動平均線から大きく乖離しているので、今買うのは高値掴みになる可能性が高いです。

それでも各移動平均線は上向きの上昇トレンドなので、多少高値掴みしてもそのうち株価は戻るのではないでしょうか。良業績なのもあって買いはしばらく続きそうです。ただし、コロナショック前の高値は大きく更新しているので、状況が変わったと思ったら降りることも大事だと思います。

6.まとめ

短期投資では、20日移動平均線くらいまで下落する、あるいは移動平均線の方が追いつくくらいまで待ち、押し目を買いに行くのが良いと思います。

長期投資では、アフターコロナが見えてくるまでは様子を見た方が良いかもしれません。いまだワクチンの接種はあまり進んでおらず、オリンピックの開催有無も不明という、外的要因で業績がどう変化するのか予測できないためです。2Qまでの実績は非常に素晴らしいですが、通期業績を半期実績の2倍と仮定して計算しても、PER25倍相当です。そして、PBRは13.50倍とかなり割高な状況です。もしも、アフターコロナより前に買うとすれば、長期投資でも業績悪化ですぐに損切りする意識は持っておくべきです。

7.おわりに

今回は資本剰余金を切り崩して配当にする時、企業からの開示があることを知りました。そして、その場合の配当は課税されないということも。*3

ここのところ、企業分析ばかりしてきましたが、決算シーズンも終わりましたし、ネタ切れになる可能性もありますね。まだクシムの分析は終わってないので、それはいずれやるとして、たまには投資本などの読了記録等も書いていこうと思います。需要は無さそうな気もしますけどね。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。