前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【企業分析】ネクスグループ(6634)

1.はじめに

今回はネクスグループの企業分析をしようと思います。フィスコシリーズ記事の3番目となります。

2.事業と資産について

事業概要

ネクスグループは、衣料雑貨の事業やインターネット旅行の事業を展開しています。最新の決算短信によると、報告セグメントは「IoT関連事業」「インターネット旅行事業」「ブランドリテールプラットフォーム事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」の4つになっています。

連結子会社の変遷

通期業績を見ると、それまで不安定だった売上高が2016年に122億(前年比+1.6倍)に急騰し、以降徐々に縮小していき2020年には元の規模まで戻るという推移になっていました。順調に成長している企業ならこんな急変動はしないはずです。きっと事業の買収や売却をしているはずだと思い、連結子会社が年を重ねるごとにどのように変化したのか調べてみることにしました。以下の図は2013年から2020年の子会社の状況です。

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推測の通り、2015年から急激に連結子会社が増えました。しかし、増えた子会社もあまり維持はしておらず、入れ替わり立ち代わりしています。買収してもあまり上手く経営出来なかったということでしょう。

子会社のネクスはデバイス事業を分割して子会社化したものです。CAICAに一部売却したものの、最近買い戻し*1をして完全子会社に戻っています。

資産の推移

これだけ子会社の状況が変わっているので、資産の流れも大きく変わっているはずです。貸借対照表の推移も確認してみましょう。

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2015年に資産額が大きく拡大していることがわかります。2015年の負債の部を見ると、1年内返済予定の長期借入金が前年の約10倍の21億円、長期借入金が約4.7倍の33億円計上されていました。純資産の部も資本金や資本剰余金が増え、極端な借入と増資を行っていることが分かります。不思議なのは2015年時点で貸倒引当金を計上していることですね。

借入や増資による拡大は叶わず、資産が急激に目減りして行っていることも分かります。2020年11月期時点で2013年11月期相当まで縮小してしまいました。有形固定資産はほぼ減損と減価償却が終わってしまったのか、2021年11月期1Qの決算短信からは細かい記載が無くなってしまいました。

他に注目するとすれば原材料の項目が増えたり、暗号資産の項目が増えたりしている事でしょうか。若干、事業が迷走気味な傾向に見えます。

3.業績分析

歴史を振り返ったところで直近の業績を確認してみましょう。まずは通期の業績から。単位は百万円で、今期の会社業績予想はありません。

通期業績 2019年11月期 2020年11月期
売上高 9,670 6,561
(前期比) -13.1% -32.20%
営業利益 -633 -620
経常利益 -678 -597
当期純利益 -1,272 -1,361

売上高が大きく下落していることが分かります。当期純利益の赤字額が大きいのは2019年、2020年のどちらも減損処理をしているからですね。営業赤字は縮小していますが、規模縮小しているだけなのでさほど喜ばしい事ではありません。売上総利益は前年比で8.8億円減少しています。販管費が8.9億低減出来たのでわずかに赤字縮小出来たという結果になっています。

最新の決算は4/13に発表された1Q決算です。こちらも確認していきましょう。

1Q業績 2019年11月期 2020年11月期 2021年11月期
売上高 2,369 2,221 1,233
(前期同期比) -40.9% -6.30% -44.50%
営業利益 -105 -79 -240
経常利益 -154 -76 -210
当期純利益 -327 -91 -162

売上高がほぼ半減しており、営業赤字も拡大しています。かなり厳しい状況と言わざるを得ません。四半期単位で見ても2020年はいずれも20億円を下回っています。決算短信によると、緊急事態宣言による影響がインターネット旅行事業に大きな打撃を与えているということです。各セグメントの売上高も確認しましょう。

1Q業績 2020年11月期 2021年11月期
売上高 営業損益 売上高 営業損益
IoT 312,566 37,307 132,770 -39,919
旅行 434,483 -25,180 22,960 -54,151
リテール 1,471,618 9,452 1,048,497 -105,908
暗号資産 920 -5,383 27,872 26,051

旅行事業や小売業であるブランドリテールプラットフォーム事業が落ち込むのは仕方ないとして、IoT関連事業まで売上高が半減しているのは不思議です。特に定性的情報にもその原因は書いていません。2Q以降はネクスを完全子会社化したことから売上高は増加するかもしれません。ただし、営業損益は拡大するかもしれません。出資比率に応じた増減をするだけですので。

暗号資産・ブロックチェーン事業は、唯一売上高と営業利益が増加しています。しかし、定性的情報の記載はほぼなく、以下の1行で片付けられています。

本事業では、暗号資産市場の動向と資金効率を踏まえた安定的な運用を行ってまいります。

「運用」と言ってるので暗号資産自体の売買や保有による利益の事を指しているのでしょう。フィスコの時のように、自社保有ネクスコインを売る(売った)といったこともあるかもしれません。どういう形であれ安定的に成長する事業でないことは確かです。

4.財務分析

資金繰りが厳しそうという話は前回の記事*2で書きましたし、資産の状況も前述したのでこれ以上語ることはありません。

開示情報で1つ気になった項目がありました。「公益財団法人財務会計基準機構への加入状況について」というIRニュースです。東証は全ての上場企業に加入を要請*3しているようですが、ネクスグループはこれに加入していないようです。フィスコも同様です。(別件ですがアジア開発キャピタルも加入していません)

一方で、CAICAとクシムは加入しているようです。財務がヤバい方が加入しておらず、財務に余裕のある方が加入しているというのも少し気になる点です。

5.まとめ

赤字が続き、事業が徐々に縮小していてかなり厳しい状況にあるようです。長期投資で保有する理由は特に無いと思います。短期投資観点でも低位株はチャート分析が役に立たないので、やっぱり触らない方が良いと思います。低位株の吹き上げに期待するにしても、安定した事業をしている銘柄で配当を受け取りながらのんびり待つ方が良いと思います。

6.おわりに

CAICA、フィスコネクスグループとようやく3社目の分析が終わりました。最後はクシムになります。軽く調べてみましたが、ブイキューブともつながりがあったようで、この辺の提携および連結子会社関連についてもチェックが必要そうですね。ブイキューブ連結子会社時の商号はアイスタディだったとか。いろいろ調べて次の記事として書きますので、良かったら見てください。

なお、本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。