前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【企業分析】QDレーザ(6613)

1.はじめに

今回はマザーズ銘柄でもよく話題になるQDレーザ(6613)について、企業分析をします。

2.事業概要

QDレーザは名前の通りレーザ装置を開発・製造・販売する企業で、「レーザデバイス事業」(LD事業)と「レーザアイウェア事業」(LEW事業)の2つの事業を有しています。「LD事業」は半導体レーザ装置を扱う事業で、「LEW事業」が話題の網膜投影デバイス*1を扱う事業です。

3.業績分析

5/13(木)に2021年3月期の本決算が発表されていますので、その内容を確認していきましょう。

- 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 756 895 1,260
-21.3% 18.40% 40.8%
営業利益 -1,207 -654 -533
経常利益 -1,225 -707 -505
当期純利益 -1,240 -879 -508

数字を順に見ていくと、2021年3月期は売上高がやや少な目の上昇ですが、営業利益は赤字半減と大きく利益水準を向上させています。一方で、来期である2022年3月期売上高こそ+40(%)の成長となりますが、営業利益の赤字はあまり減少していません。「事業拡大はすれこそ黒字化は遠そう」というのが、これらの数字から読み取れます。

次にセグメント別の業績サマリーを見ましょう。

- - 2020年 2021年 前期比
LD事業 売上高 679 841 +24(%)
営業利益 18 7 -61(%)
LEW事業 売上高 87 54 -38(%)
営業利益 -999 -434 赤字縮小

LD事業は売上高が増加していますが営業利益は減少しています。LEW事業は営業利益が大幅に赤字縮小して改善していますが、売上高は約4割減に落ち込んでいます。LD事業は利益が出ず、LEW事業は規模縮小していると考えることができます。

なお、セグメント別の見通しは公開されていません。なので実績値から推測するに、来期はLEW事業の売上高が伸びる一方で、LEW事業はさほど売上が伸びず減益幅も縮小できないと言ったところでしょうか。

また、レーザアイウェアのページの記載によると、中国から受注している案件もあるようです。

COVID-19の影響で前期計画した中国向け大型案件が消滅したにも関わらず、それを織り込んだ販売目標は達成。

可能性の話になりますが、最近の米中情勢は良いとは言えませんし、日本もそれに無関係というわけには行きません。長期保有する気があるのなら、その影響について気にしておくべきかもしれません。

4.財務分析

次に貸借対照表キャッシュ・フロー計算書から財務の状況をチェックしましょう。チェックポイントを列挙します。

  • 上場して株式を発行したことにより、資本金が増えた。
  • 現預金も2倍以上に増えた。
  • 短期借入金を完済。長期借入金は7割返済。
  • 自己資本比率は59.2(%)から81.5(%)へ急改善。
  • 営業活動により約8億の資金が減少。赤字額が現状維持なら現預金は4年持つ見込み。
  • 投資への支出が大幅に減った。(約8割減)

需要が少ないのに闇雲に製品を作っても売れないので、状況により投資への支出が少なくなるのは仕方のないことです。しかしながら、この資金の運用だと「株式発行で調達した資金で借金を返済した」と考える投資家もいるのではないでしょうか。

資産の面から株価の推移を考察してみましょう。現在の時価総額は484億円でPBRは12.71倍となっています。現在のTOPIXの予想PBR*2は1.28倍です。比べると非常に割高な株価であることが分かります。上場直後の成長株なので、すぐに1倍近辺まで下落することはないでしょうが、それでも低成長が続き赤字から脱せなければ、相応に株価は下落していくことでしょう。

株価が減少するとPBRも減少します。その相関を示すのが以下のグラフです。現在のBPS(一株当たり純資産)は110.13円で算出しています。

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徐々に株価が下落してPBRも適正値に近付いていくことになると思います。ただし、赤字である限り純資産も目減りしていくので、下落速度はさらに早まる恐れもあります。いずれにしても株価の下落を留め、上昇に転じるには早期の黒字転換が必要だと思います。

5.まとめ

長期視点では、まだ下落していく可能性が高いと思います。各セグメントの売上と利益がともに上昇する形になるまでは投資を見送った方が良いかと思います。短期視点では本銘柄自体の状況はともかく、相場全体が下落寄りの状況になっているので、やはり見送った方が良いかと思います。ちょっとした業績向上程度では株価が上昇しない状況になってきています。

もしも、保有しているのであれば一旦売却して様子を見た方が良いのではないでしょうか。利益も出ていて配当も出る企業と違い、含み損のまま長期保有するのは損失確定以上に機会損失によるデメリットが大きいと思います。

6.おわりに

今回も株探の検索キーワード上位の銘柄について分析してみました。Twitter上で検索しても気にしている人は多そうに感じました。もしも、業績は悪くないから保有しておくつもりの方が居るとすれば、自分で決算説明書や決算短信を読み、改めてどうするか考えてみてください。

なお、本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。