前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【企業分析】AI inside (4488)

1.はじめに

今回はマザーズに上場しているAI inside(4488)について、株価急落の原因になったIRニュース*1が業績と株価に与える影響を考えて見ようと思います。

2.直近の業績について

直近の業績は非常に優秀で、上場直後の2020年3月期時点で黒字の実績となっており、2021年3月期の会社業績予想も売上高2.8倍、営業利益4.3倍と驚異的な成長となる見込みになっています。

決算説明資料の業績予想の数字から計算すると、売上の構成はリカーリングが約88(%)でセリングが12(%)と、売上の大半はリカーリングが占めています。このリカーリングの売上が約5倍の上昇となり、AI insideの成長を支えています。

3.来期の業績について

4/28(水)にAI insideのIRニュースでNTT西日本向けの契約が一部更新されないことが開示されました。2022年3月期の会社業績予想は5/12(水)に開示されることになっていますが、減少する売上の想定値は公表されているので大まかに試算してみましょう。

2021年3月期に当社がNTT西日本に対する DX Suite Liteプランの利用料として計上見込のリカーリング売上2,137百万円のうち、1,763百万円が2022年3 月期には減少することとなります。(IRニュースより)

開示情報によると、最大1,763百万円の売上減になる見込みになっています。本件以外の業績が横這いだったと仮定すると、2022年3月期の業績は売上高2,708百万円(約4割減)となります。グラフにすると以下のようになります。単位は百万円です。

f:id:mizuna_kaede:20210509104255p:plain

現実にはNTT西日本が全てのライセンスを解約することはないでしょうし、他の企業との契約を開拓していくでしょうから、あくまで最悪のケースを想定した場合の予測値であることはご了承ください。しかしながら、新たな大口顧客が得られないことには成長どころか2021年3月期の実績を超えることは困難でしょう。

4.目標株価の考察

想定の業績から株価の推移を考察してみましょう。まずは前提条件の確認から。成長どころか業績悪化しているので、成長株として今後も資金が積まれていくことは考えにくいです。それを考慮した上で、現在株価が妥当かどうかを分析します。

連日のストップ安後の株価は16,080円となりました。この株価での時価総額に対し、2021年3月期の会社予想業績で計算するとPERは53.6倍になります。一般的な企業だとPERは15倍前後であるようです。つまり、現時点の株価でもかなり割高だと言えるでしょう。

先ほど計算した2022年3月期の想定業績で来期の予想PERを考えて見ましょう。2020年3月期と2021年3月期を比べると、売上高は2.8倍で、当期純利益は2.7倍とほぼ連動していることがわかります。そのため、2021年3月期の当期純利益を4割減すると2022年3月期の予想当期純利益を算出できます。2021年3月期の当期純利益は1,142百万円なので、2022年3月期の当期純利益は約691百万円と想定できます。ここから2022年3月期の予想PERを計算すると約91倍となります。

2021年3月期と2022年3月期の業績に対し、PER15倍で目標株価を計算すると以下のようになります。(発行済株式数3,913,000株)

■2021年3月期

  • 時価総額:1,142×15=17,130(百万円)
  • 目標株価:17,130÷3.913=4,377(円)

■2022年3月期

  • 時価総額:691×15=10,365(百万円)
  • 目標株価:10,365÷3.913=2,648(円)

PER15倍相当まで下落するかどうかはもちろん不透明です。そのため、PERに応じた株価のグラフも用意したので参考にしてください。

f:id:mizuna_kaede:20210509112254p:plain

5.おわりに

IRニュースの発表から大きく株価は下がりましたが、業績見込みからするとまだ下落余地は充分にあることがわかります。成長株投資は、成長企業には資金が集まって株価が上昇するので、それに乗る投資手法です。AI insiteについてはこのIRニュースにより、その「成長」が否定されたことになります。もしも本銘柄の株を保有しているのであれば、個人的には一旦損切りした方が良いのではないかと思います。もちろん、短期的なリバウンドでいくらか一旦株価が戻す可能性もありますが、そうならない可能性だってあるのですから。

最後に常套句で閉めましょう。本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。