前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

東証再編に向けての投資戦略

1.はじめに

今回は東証再編*1に向けて、どの銘柄が買われそうかを考えようと思います。

2.銘柄の条件検討

東証の資料によると、再編後の市場はプライム、スタンダード、グロースの3つとなり、再編前と再編後の区分は以下の表のようになるようです。

再編前 再編後
東証1部 プライム
東証2部 スタンダード
JASDAQスタンダード スタンダード
マザーズ グロース
JASDAQグロース グロース

再編にあたりプライム市場の条件に満たない現東証1部の銘柄はスタンダード市場に実質格下げになるようです。株価指数であるTOPIXに関しても条件が変更となりますが、こちらはマーケットへの影響を考慮して徐々に移行するようです。*2*3

プライム市場上場の条件の1つに流通株式時価総額が100億以上という条件があるので、東証1部の時価総額100億以下の企業がプライム市場に区分されるためには株価を上昇させる必要があります。そして、TOPIXの対象銘柄から除外されれば、先物取引や指数連動ETFなどの裁定取引の影響で、株価が下落することになるでしょう。

株価を上げるためには投資家に買ってもらう必要があり、投資家に買ってもらうためには成長企業であることをアピールしたり増配したりなど、投資家に株式保有のメリットを提示する必要があります。

しかし、短期間で企業の収益を大幅に向上させることは難しく、増配を発表したとしても株価への影響度は測りづらいところがあります。そのため、対象企業は株価に直接影響を与えることのできる自社株買いを実施するのではないかと考えることができます。日経新聞のこの記事*4でも同じような事が書いてあります。

ただし、格下げ対象の企業が全て自社株買いをするかというと、そんなことはないと思います。株価が下がっても資金調達や敵対的買収対策に関して不安がなければ対策を打たない可能性はありますし、そもそも自社株買いをする資金の余裕がなければ実施すること自体が不可能です。

まとめると以下の条件の企業が自社株買いを発表・実施し、今後時価総額100億を目指すのではないかという推測ができます。

  • 時価総額が100億未満である。
  • プライム市場への区分を目指している。
  • 株価が下がると困る。(あるいは上がることを目指している)
  • 現資金に余裕がある。

3.スクリーニング結果

先ほどの推測から、以下の条件でスクリーニングを実施してみました。

  • 東証1部
  • 時価総額100億以下
  • 経常利益黒字(赤字企業は余裕なしと判断)
  • 自己資本比率50%以上(負債多い企業は余裕なしと判断)
  • 売上高変化率5%以上(業績悪化銘柄は除外)

スクリーニングの結果で表示された銘柄は以下の通りです。なお、資金の余裕度を測るために総資産現金比率を自分で算出して併記しています。

銘柄 時価総額 自己資本比率 総資産現金比率
3172 ティーライフ 54億 63.56% 25.30%
3920 アイビーシー 56億 50.51% 40.40%
9466 アイドマMC 56億 66.81% 40.60%
4430 東海ソフト 59億 63.22% 42.90%
1384 ホクリヨウ 61億 60.83% 15.00%
4728 トーセ 62億 84.95% 22.20%
6044 三機サービス 63億 59.15% 23.40%
3839 ODKソリューションズ 64億 70.88% 31.00%
8617 光世証券 65億 74.05% 31.20%
1768 ソネック 65億 59.88% 26.20%
3924 ランドコンピュータ 66億 65.95% 39.40%
3940 ノムラシステムコーポレーション 73億 89.26% 68.90%
6059 ウチヤマHLDG 78億 54.28% 36.00%
4439 東名 80億 61.05% 50.20%
6938 双信電機 82億 68.06% 16.10%
2352 エイジア 82億 79.44% 46.40%
4762 エックスネット 82億 85.90% 16.90%
2311 エプコ 87億 79.10% 30.40%
9479 インプレスHLDG 88億 60.27% 38.60%
4829 日本エンタープライズ 90億 80.85% 76.10%
6704 岩崎通信機 93億 67.25% 28.00%
9966 藤久 94億 61.54% 35.60%

4.実績を考慮した銘柄選択

上記22企業のうちもう少し条件を絞って考えましょう。まずは自社株買いについて過去の実績があるかどうか。これはIRを確認したところ、対象企業はアイビーシー(3920)、アイドマMC(9466)、トーセ(4728)、光世証券(8617)、ソネック(1768)、ノムラシステムコーポレーション(3940)、エプコ(2311)の7社でした。他の銘柄は資金調達の都合からか自社株買いどころか増資している企業もそこそこありました。

資金の余裕度の観点だと、トーセ(4728)、ノムラシステムコーポレーション(3940)、エックスネット(4762)、日本エンタープライズ(4829)の4社が自己資本比率80%以上となっており、さらにノムラシステムコーポレーション(3940)、日本エンタープライズ(4829)は現金の比率も高くより自社株買い実施の期待ができそうだと考えることができます。

資金に余裕があり、自社株買いの実績もあるノムラシステムコーポレーション(3940)と、実績はないものの資金に余裕のある日本エンタープライズ(4829)について深堀りしてみましょう。

まずはノムラシステムコーポレーション(3940)から。コンサルの事業なので余剰資金を設備投資に回す必要はなく、それが現在の資金の余裕に繋がっているのでしょう。業績も右肩上がりにはなっていませんが赤字になることもなく比較的堅調言えるかと思います。大株主を確認すると社長(野村芳光)で持ち株比率は60.88(%)になっています。株価が下がれば自身の保有資産も減少することになりますから、この点でも実施する可能性は高そうです。なお、発行済株式数は23,109,600株なので、時価総額100億に対する目標株価は432円となります。現在株価は317円なので、自社株買いが実施されれば100円近くの上昇は見込めそうです。

次に日本エンタープライズ(4829)を見てみましょう。スマホアプリやECの事業をしており、決算の推移を見ると赤字にこそなっていないものの最終利益は変動が多く安定していません。大株主はこちらも社長(植田勝典)で持ち株比率は27.70(%)になっています。100億に向けた目標株価を計算すると249円となり、現在株価は225円で4月頭時点の株価は条件を満たしていることから下落からの反発だけでも条件を満たしそうな状況になっています。投資妙味は薄そうです。

5.おわりに

他の企業の中にも有望な企業はあるかもしれませんが、本記事はここまでの分析で留めておきます。投資戦略の一助となれば幸いです。

現時点でノムラシステムコーポレーション(3940)は保有していませんが、どこかで仕込みしようと考えています。ODKソリューションズ(3839)は本考察と別の理由で100株保有しています。この調査結果を考慮し、プライム市場に区分されるかどうかは怪しいため、今後どうするのかは再考しようと思います。

最後に常套句で閉めましょう。本記事は紹介銘柄への投資を推奨するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。