前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

リスクとリターンに関する考察

1.はじめに

今回はリスクとリターン、そして損切りに関して考えて見ようと思います。「デイトレード入門」という本から1つ学んだ事柄があるので、それのアウトプットもかねて。

2.損切り(ロスカット)とは

損切りとは株価が評価額がマイナスになった時に値上がりを諦めて売却することを言います。株式の売買をしていれば言葉自体はご存知のことかと思います。

損切りはリスクを考える上で非常に大事なことです。市場には株価が下がり続ける銘柄があります。例として、日本たばこ産業の株価の年足チャートを見てみましょう。

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2016年から2021年までほぼ右肩下がりで株価が下落しています。もしも2016年の高値4850円で購入していて現在まで保有していた場合、評価額は半分以下になってしまいます。日本たばこ産業は高配当で有名ですが、配当を考慮してもこの評価損は補填出来ません。

株式投資に使用できる資金は人それぞれです。例えば、50万の資金が使えるとしましょう。1回目の取引で50万円まるまる使って50%の損失になった場合、残額は25万円になります。2回目も同じであれば12.5万円となり、こうなると購入可能な銘柄はかなり限定されてしまいます。損失を限定しないと数回の取引で退場する可能性すらあるのです。

3.確率と評価損益率に関する考察

目標株価と損切り株価を決めることで、リスクとリターンを期待値で考えることができます。例えば、現在株価1000円の銘柄を分析した結果、株価が1100円(評価損益率+10%)になりそうだと考えたとします。損切りラインを評価損益率-5%とし、勝率を50%とした場合、期待値は1100円×50%+950円×50%=1025円となります。現在株価より25円有利なトレードであると言えます。

損切りラインを拡大して評価損益率-10%まで我慢したとすると、期待値は1100円×50%+900円×50%=1000円となってそのトレードに関する優位性は消え、さらに損切りラインの許容範囲を広げると損失となる可能性の方が高い不利なトレードになってしまいます。

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また、勝率が高いトレードであれば当然期待値も上昇します。先ほどの例で勝率70%とするならば、期待値は1100円×70%+950円×30%=1055円となります。一方で、勝率を低く見積って30%とするならば、1100円×30%+950円×70%=995円となります。

以下のグラフを見ると分かるように、この条件だと勝率34%前後でも期待値は現在株価相当のトレードであることになります。つまり、損切りラインが高ければ確率的により有利なトレードが出来るということです。

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4.目標株価と投資期間に関する考察

前提条件の目標株価が低すぎると考える人も居るかもしれません。もちろん、市場にはダブルバガーやテンバガーと言った株価が数倍になる銘柄も存在します。有名な例だとエムスリーが2019年年始から2020年年末の約2年かけて株価が1350円から10675円まで成長しました。しかし、このエムスリーですらも、テンバガーとなるまでに-10%前後の短期的な下落は何度も発生しています。テンバガーとなる保証は無いのに、数年間特定の銘柄を利益確定せずに保有し続けられますか?「ある」と答えるのであれば、短期売買は考えずに成長株投資の本と財務会計の本を手に取り学びましょう。この短期売買に関する記事に学びは無いかもしれません。

「定位株なら短期で数倍になる」という人も居るかもしれません。確かに業績不相応に急騰する定位株は存在します。しかし、そういった短期で急騰した銘柄はすぐに元の株価に戻ります。業績が伴っていないのだから当然です。急騰を狙うのであれば待ち伏せる必要があり、結局のところ数か月から数年ポジションを維持しておかねばなりません。業績が悪い銘柄であれば徐々に株価が切り下がって行く事にも耐えなければいけません。

株価が数倍になる銘柄がある一方で、一般的な銘柄でも10%前後の株価変動は頻繁に発生します。それらの株価変動から利益を得るのが短期売買であり投機であると言えます。数倍株への投資と比べて派手さはありませんが、トレードの成功回数や成功率が向上すれば同水準の利益を得ることも不可能ではありません。

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上記のグラフはエムスリーの過去の株価1350円をスタート地点として、1回のトレードにおける評価損益率を固定して、トレードを重ねるごとにどれだけ資産が増えていくのかを示したものです。評価損益率+10%であれば23回で、評価損益率+5%でも43回で、投入資金は10倍になることがわかります。1回のトレードが1か月単位とすればそれぞれ約2年、約4年でテンバガー相当の利益が獲得出来ると言えます。

もちろん、毎回トレードに成功するわけではないので、短期売買の理想といえばそれまでですが、それはテンバガー銘柄探しも見込み違いが発生することがあることを考えれば同じことかと思います。

5.値動きと投入資金に関する考察

値動き(ボラティリティ)が激しければ上昇時の利益は大きくなりますが、同時に下落時の損失も大きくなります。この下落が寄り付きに発生した場合、回避することはできず損失が拡大してしまいます。

仕手筋に動かされた定位株や市場評価の定まっていないIPO直後の株、一般ニュースやIRニュースで急騰/急落した株などは値動きが激しくリスクが高いです。

以下の株価チャートはワタベウェディングの日足チャートです。3/19に-13(%)以上の急落となっていますが、3/10以降に購入した場合はどうやっても損失を-5(%)以内に抑えることは出来ません。

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リスクを小さく抑えるには、浮動株比率が高く出来高の多い、流動性のある銘柄を選び、極力決算時期を避けると良いです。主観的な目安ですが、東証一部の1000円以上の銘柄であれば基本的には問題ないかと思います。

リスクの大きさを損切りラインだけで判断してはいけません。投入する資金の量を考える必要があります。株を10万円分購入して-5(%)の損失が発生した場合の損失額は5,000円ですが、100万円分購入した場合は5万円になりますし、1000万円になれば50万円になります。株式を購入した分の資金はリスクに晒されている状態です。つまり、金額が大きくなればなるほど、リスクも大きくなるということです。

総資産50万円の人がそれぞれ10万(Aさん)、20万(Bさん)、30万(Cさん)、40万(Dさん)円分の株式を購入し、損切ラインを-10(%)とした場合の資産の状況を示したグラフが以下になります。

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資金を増やせば増やすほど、失う可能性のある資金量も拡大していることが分かります。生活費と投資資金を個別に管理することはもちろんの事、リスクを管理するために、不用意に株を買い増さないことも重要です。

6.おわりに

今回はリスクとリターンに関する話を自分なりに整理してみました。株で稼ぐ手法は書店に並べられてる書籍の分だけ存在しますが、共通して言えることはリスク管理が大事ということだと思います。私が読んだ書籍のうち、損切りをしない手法は「エナフン流」と相場師朗さんのトレード手法くらいしか見ていません。だいたいどの本も「リターンは管理出来ないが、リスクは管理できる」と書いてあるイメージがあります。(※グレアムさん、バフェットさん関連の本は基本的に下落しない銘柄を買う手法なので損切り以前の話と思っています)

いずれにしても、想像以上の損失を出さないために、自分の資産状況をしっかり管理しましょう。