前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

ゲームメーカー決算分析(20年10-12月) [前半戦]

1.はじめに

今回はゲームメーカーの10-12月の決算発表をチェックしてみたいと思います。

2.決算発表日程

今回は対象メーカーを増やしたので、前半戦と称して2部構成で行きます。日程は以下の通りで、今回は任天堂までチェックします。

3.各社決算分析

コーエーテクモ (3Q決算)

売上高439億(+1.6倍)、営業利益193億(+3倍)

  • 三国志・戦略版:セールスランキング15ヶ月連続で上位5位以内
  • 三國志14:10万本の販売(12月発売)
  • ゼルダ無双 厄災の黙示録:無双シリーズ最高出荷本数の350万本を突破
  • 仁王2:累計出荷本数140万本

ゼルダ無双 厄災の黙示録が圧倒的なヒットになったのが、この好業績の結果か。続くタイトルがないと業績維持は大変そう。

  • 1月 ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ (欧米)
  • 2/4 仁王2 Complete Edition (グローバル)
  • 2/23 ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ (欧米)

通期業績予想を、売上高560億/経常益330億に上方修正。修正後の3Q時点で通期の進捗率90%到達してる。目標達成にはあと31億必要だが、ゼルダ抜きの1Q・2Qでも60~80億であることを考えると、かなり保守的な変更内容に見える。

少し怖いのは経常利益に上乗せされているのが資産運用の成果である点。営業利益の実に半分の金額を運用で稼ぎ出している。さらにその収益の半分が売却益。2Q→3Qで264億をさらに投資有価証券に割り当てている。この、証券売買での利益に関する話、決算説明資料には出てこない。※経常利益の実績値自体は書いてある。

サイバーエージェント (1Q決算)

売上高1310億(+13%)、営業利益70億(-8.7%)

売上高の通期業績目標は5000億に対する進捗率は26.2(%)と1/4到達も、営業利益の325億の通期業績目標に対する進捗率は21.7(%)とやや不足気味。

  • メディア事業:売上高67.0%、営業損失縮小。
  • インターネット広告事業:売上高13.8%増、営業利益0.8%増
  • ゲーム事業:売上高15.0%減、営業利益77.8%減
  • 投資育成事業:売上高79.9%増、営業利益74.0%増
  • その他事業:売上高12.5%増、営業利益0.2%増

メディア事業はABEMAいまだに黒字化ならず。営業損失39億を黒字化するには、プレミアム会員の今の価格設定(月額980円)だと、単純計算で136万人必要のはず。現会員数の2倍以上なので、このままの進捗だと黒字は2023年頃か?競輪の投票システムへの投資も始めた模様。

ゲーム事業の売上高は2016年頃の水準まで減少。利益の急減に関する説明無し。売上はグラブル、プロジェクトセカイ、プリコネの順で高いが、グラブル、プリコネは徐々に売上減少している。(ただし公開年度で集約して集計されてるので、ゲーム単独での結果ではない)

財務については、貸借対照表について、有価証券評価差額金が40億減少している。IRニュースによると、BASEの株式を売却して、これを営業利益に計上したとのこと。資産の部で証券以外の箇所の数値に大きな変化はないため、支払いに消えたと推測。成長停滞と考えると、高PERの株価に対する状況はあまり良くない。

カプコン (3Q決算)

売上高:648億(+22%)、営業利益243億(+32%)

10-12月も前年同期比で見れば+46%とかなり利益を伸ばしているものの、4-6月と比べるとかなり減少。21日に上方修正した業績予想の営業利益に対し、79%の進捗率。1-3月は61億の目標になるが、利益は伸び悩んでいるのか4-6月が好調過ぎたのか。

  • デジタルコンテンツ事業:売上高489億(+20.6%)、営業利益247億(+24.6%)
  • アミューズメント施設事業:売上高70億(-23.7%)、営業利益0.86億(-92.7%)
  • アミューズメント機器事業:売上高67億(+9倍)、営業利益24億(+5倍)

デジタルコンテンツ事業については、決算説明資料で以下のゲームが紹介されている。本年度の各決算短信から計算したところ、3Q単体での営業利益は1Q単体の半額なので流石にリピートのみだと厳しい。3/26発売のモンハンライズがどこまで売上を牽引できるか。説明資料によると4Q単体の売上高業績目標は226億。

アミューズメント施設事業は、上半期決算時点は2億の赤字だったがついに黒字化。「カプコンストアオーサカ」を新規出店し、合計41店舗に。ただし、緊急事態宣言の自粛要請を考慮してか、通期の営業利益は0円として計画。(前年本決算は12億の営業利益)

アミューズメント機器事業は、新機種『モンスターハンター:ワールド』が売上を牽引。パチスロの新機種を出したタイミングで売上高と営業利益が急増する様子。2020年3月期は1-3月に「新鬼武者 DAWN OF DREAMS」が売れて、本決算の売上高が6億→65億になった。

貸借対照表を確認したところ、支払いが減少して負債がスリムに。繰延収益分も消化。負債合計は前年本決算時の6割に縮小。資産側は目立った箇所無し。

損益計算書を確認したところ、売上増、売上原価増、販管費減。通期の営業利益率は37%。為替差損を4億計上。大きな特損は無し。自社株買いは積極的で、03,04,06,09,11,13,16,18年にそれぞれ実施。(純資産に自己株式を△274億計上)

キャッシュフロー計算書を確認したところ、ゲーム仕掛品が消化されて前年同期比で営業CFはかなり目減り。コーエーとは反対に、投資CFの大半を定期預金で運用している模様。払い戻し+αの137億を定期預金として預入している。配当増額に伴い、財務CFは11億減少。

アカツキ (3Q決算)

売上高236億(+0.8%)、営業利益93億(+14.2%)

特別損失として投資有価証券評価損を9.9億計上。3Q連結決算の最終利益は58億。売上高、営業益、最終益いずれも連結では順調に増加。2Q単体の業績が大きく利益に貢献している。

財務を確認したところ、流動負債も固定負債も減少、一方で現金が大きく増加。固定資産としての投資有価証券もわずかに増加。販管費の減少により、売上営業利益率が34%から39%へ大きく向上。売上高の伸びが小さいところが気になるところ。前年本決算短信に有形固定資産取得が計上されており、おそらくこれはライブエクスペリエンス事業のアソビルのための支出と考えられる。

■ゲーム事業のタイトル(※他社と協業多め)

マーベラス (3Q決算)

売上高172億(-6.8%)、営業利益33億(+58.2%)

通期進捗率は92.6%。あと2.6億の営業利益で通期業績予想の額に到達する。しかし、前年同期(単期)の営業利益は他より少なく3.3億であり、今期も同様ならば業績予想を大きく上回ることはなさそう。

  • オンライン事業:売上高57億(-4%)、利益13億(+10倍)
  • コンシューマ事業:売上高88億(+1.4倍)、利益24億(+27%)
  • 音楽映像事業:売上高26億(-31%)、利益6億(-45%)

オンライン事業はコスト低減で利益が大きく上昇。代表作品と現在の状況は以下の通り。

コンシューマ事業は『天穂のサクナヒメ』が世界累計85万本と大ヒット。通期業績予想のお知らせの本文の先頭に記載されるほどインパクトは大きかった模様。新作の牧場物語の予約も順調とのこと。

音楽映像事業はパッケージ販売、映像配信等は堅調だが、ステージ公演の中止や規制により、減収減益。3Qの作品は『アクダマドライブ』(第1巻)や『映画プリキュアラクルリープ みんなとの不思議な1日』など。4Qとしては『トロピカル~ジュ!プリキュア』が放送開始予定。

財務については長期借入金がなく、短期借入金が1.6億のみ。非常に安全経営。現金も148億保有。前連結会計年度より有形固定資11億増。音楽映像部門向けの投資と推測。

任天堂 (3Q決算)

売上高:1兆4044億(+37.3%)、営業利益:5211億(+98.2%)

3Q単体も営業益は前年比+36.1(%)と好調。通期業績予想はは上方修正。売上高1兆4000億→1兆6000億、営業利益4500億→5600億。期末配当も450円→1070円へ増額。

■販売状況(2Q→3Q)

  • あつまれ どうぶつの森:1427→1941万本
  • スーパーマリオ3Dコレクション:521→832万本
  • マリオカート8デラックス:421→864万本
  • リングフィット:311→595万本
  • ミリオンセラータイトル数:20→29本(自社15→20本)

売上高における海外比率は77.6(%)為替による影響額は149億円発生。米国の比重が大きいため、円高ドル安の影響を強く受けている。

財務に関しては、短期借入金も長期借入金もなし。資産の部で計上されている現金は1兆超え。前年本決算のキャッシュフロー計算書を見ると、有価証券と定期預金のどちらにも支出している。有形無形固定資産も少なめ(それでも98億)だが取得あり。

4.おわりに

今回は財務などにも注目してチェックしてみました。そして、改めて任天堂が群を抜いて凄い企業であることも認識できました。残り半分もじっくりチェックして、次回の記事で整理します。