前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

インデックス投資でFireは実現できるのか?

1.はじめに

市場平均に打ち勝つことは難しい、投資で勝ち続けるのはごく一部の人間のみという話は投資をしていればよく聞く話だと思います。では、市場平均に連動するインデックス投資でFire(早期リタイア)することは可能なのか。この観点について計算してみました。

2.理論値での計算結果

まずは理論値で実現性を考えてみたいと思います。早期リタイアに必要な資産額はリタイア時期と個人の年間支出額によって大きく変動すると思いますが、ここでは「資産額1億円以上」を達成目標とします。40万円~200万円の積立額に対し、0(%)~15(%)の年間パフォーマンスを反映した場合、資産の推移がどうなるか。グラフで可視化してみましょう。

40万円積立時

積立NISAの非課税枠の上限である40万円。この金額で毎年積み立てた場合は以下の結果になります。

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S&P500の平均パフォーマンスの近似値である8(%)でもちょうど40年必要であることがわかります。例えば、大卒22歳から62歳まで働いて積み立てるということになるので、とても早期リタイア可能とは言えません。市場平均を上回るパフォーマンスの10(%)でも34年、15(%)でも27年かかる計算になります。

80万円積立時

次に40万円の2倍の80万円を積み立てた場合はどうなるか。見てみましょう。

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8(%)時の1億円到達が32年と、40万円の時と比べて8年早くなりました。しかし、22歳から54歳まで働くということが早期リタイアに該当するのかどうかというと、やや疑問が残ります。

120万円積立時

さらに40万円を加算して、120万円積み立てた場合は以下のグラフになります。

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8(%)時の1億円到達は27年とかなり現実的な数値になりました。22歳から49歳まで働き、50歳からは悠々自適というパターンが見えてきます。

160万円積立時

積立NISAの非課税枠上限の実に4倍である160万円を積み立てた場合、結果は以下のグラフになります。

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8(%)時の1億円到達の所要年数は24年。46歳で早期リタイアできる計算です。主観になりますが、これだけ早ければ充分「早期」と言えそうです。

200万円積立時

最後に毎年200万円積み立てた時はどうなるのか。グラフで見てみましょう。

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8(%)時の1億円到達の所要年数は21年。約20年だけ働けばリタイアできる計算です。パフォーマンスをやや低く見積もった5(%)でも、26年で1億円到達となるので、多少相場が悪くなってもある程度は早くリタイアできることでしょう。

3.過去実績値での計算結果

2章はあくまで理論値での計算結果です。なので、前回*1同様、S&P500の実績パフォーマンスで資産の推移を見てみましょう。

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上記のグラフは、1981年~2020年のS&P500の年間パフォーマンス実績値を使って計算した各積立額の資産の推移です。

120万円積立のパターンは、この実績値だと19年時点で一旦1億円資産を実現しています。ただし、2001年~2003年の相場が悪く、約7000万円まで下落してしまっています。リーマン・ショックのあった2008年はさらに相場が悪く、1億円に戻った資産も再度7800万円に下落して1億円に戻ったのは2010年となり、以降はようやく1億円を維持しています。結局、実績値ベースで資産1億円を安定させるには30年かかった計算になります。

80万円積立の場合、1億円到達の所要年数は33年となりました。そして、40万円積立の場合、1億円到達の所要年数は39年となり、いずれも平均パフォーマンスの結果と大差はないことがわかります。

4.まとめ

理論値と過去の実績値に大差がないとわかったところで、毎年の積立額に対する早期リタイアまでの所要時間を振り返りましょう。他の年間パフォーマンス時の計算結果も参考程度に併記した表を以下に提示します。

- 40万円 80万円 120万円 160万円 200万円
5% - - 34年 30年 26年
8% 40年 32年 27年 24年 21年
10% 35年 28年 24年 21年 19年
15% 27年 22年 19年 17年 16年

インデックス投資での早期リタイアとして最も現実的なのは、積立額を120万円にして50歳頃にリタイアすることを目指すというシナリオでしょうか。

今後もS&P500が平均値である8(%)パフォーマンスを維持するのであれば順調に49歳頃にリタイアでき、パフォーマンスが落ちて5(%)相当であっても56歳頃には資産1億になっているはずなので、やや早くリタイアするもよし、60歳で定年退職して退職金を満額貰った後にのんびり過ごすもよしという想定ができそうです。

もちろん、120万円より多くの金額を積立できるのであれば、さらにリタイアまでの時間を短縮できることでしょう。

最後に、積立額の原資について触れておきましょう。日本全体の年収中央値は約360万円*2らしく、120万円積立インデックス投資方法でFireしようと思ったら、年収の3割を積立投資につぎ込むことになる計算になります。手取りは286万円*3なので、生活費に使える金額はおよそ年間166万円(毎月約14万円)となります。「実現できるのか?」の問いに対しては、「(一般的には)出来ない」と答えるのが妥当ではないでしょうか。

※例によって利益に対する税金は考慮していない点に注意してください。そして、早期リタイアしたとして、リタイアした直後から資産の目減りは始まりますし、物価上昇により生活費が高騰することも考えられるので、早期リタイアにはそれなりのリスクが伴うことも考慮する必要があるでしょう。出口戦略に関しては前記事*4で考えてみたので、良かったら見てみてください。

5.おわりに

私もインデックス投資が一番安牌であると考えています。しかし、一方で個別株の売買をしているのは早期リタイアする可能性を少しでも高めたいという考えを持っているからです。インデックス投資は安定していてリスクは低いですが、その分リターンも小さくなってしまいます。

老後資金形成のために積立投資は継続しつつ、個別株の利益で成功の可能性を探る。これが現時点の私の目標です。