前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

売買コストを比較 ~野村證券編~

1.はじめに

以前、各証券会社の手数料と金利を比較する記事*1を投稿しましたが、先日「野村證券信用取引金利が低い」という話を聞いて、改めて比べてみることにしました。売買コストは投機の実力に関係なく埋められる部分なので、極力安くつく証券会社を選びたいものです。

2.野村證券の手数料と金利

まずは野村證券の手数料と金利についてチェックしてみましょう。

  • 手数料:約定代金にかかわらず1注文あたり524円 *2
  • 金利:年利0.5% *3

上記の通り設定されています。この設定値について、野村證券は手数料無料の他社と比べて「1か月で約18.8万円ほどの違い」が発生するとアピールしています。ただし、この比較シミュレーションは「1億円で買い建てした場合」という条件での比較結果です。小さい文字になっていますが、金利のページにもしっかりこの条件が明記されています。一般の個人投資家が1億円で信用買い建てするのは一般的ではないと思いますので、ここではもう少し現実的な金額で比較してみようと思います。

3.手数料無料のA社と比較

野村證券の比較シミュレーションの相手方(A社)の条件は以下となっています。

  • 手数料:0円
  • 金利:年利2.8%

野村證券とA社で、それぞれ10万円と100万円を投資した場合のトータルコストをグラフで比較してみましょう。

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100万円では数日(9日)でA社のコストが野村證券のコストを上回っている一方で、10万円では30日どころか84日目にしてようやく野村證券とA社のコストがほぼ同じ金額になります。

金利のコストは借入金額と借入日数の積算で決まるので、1億円を基準に考えれば手数料を度外視してもA社と大きな差が付くのは当然です。つまり、野村證券信用取引の条件が有利に働くのは以下のケースになります。

  • 投資金額が大きい (大きいほどトータルコストが安くなる)
  • 投資期間が長い (長いほどトータルコストが安くなる)

では、投資金額がどのくらい大きければ、投資期間がどのくらい長ければ、野村證券のトータルコストがA社より小さくなるのでしょうか。それを10万円~100万円の範囲で示したグラフが以下になります。

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30日という条件なら、投資金額がおよそ30万円で野村證券のトータルコストがA社のそれよりも下回る事が分かります。ちなみに、1000万円であれば初日から野村證券の方が安いという結果になります。

具体的な数値が知りたければ、「831565.2174」を投資金額または投資期間で割り算してみてください。例えば、経過日数10日の場合、831565.2174÷10=831,565円となります。この数式は以下の計算で算出できます。

野村證券のコスト = A社のコスト
A×0.005×(B÷365)+524 = 0.028×(B÷365)
A×0.005×B+524×365 = 0.028×B
A×0.023×B = 524×365
A×0.023×B = 191260
A×B = 831565.2174 (A:金利、B:経過日数)

余談ですが、A社の金利2.8(%)は偶然にもSBI証券と同じ利率となっています。

4.個人的なお勧め

信用取引を使う以上、それなりの投資金額となると思いますので、信用取引目当てで野村證券を選択するのは確かにコスト面で有利になりそうです。例えば、100万円を2週間という条件なら、1回につき358円安くなります。

ただし、忘れてはいけないのは、「現物取引であれば金利は無く、一部の証券会社は手数料さえも無料である」ということです。トータルコストを安くするという観点ならば、そもそも信用取引は使わない方がよいのです。信用取引は余力以上の取引を行える特徴があり、損失管理が適切に行えるのであれば有効に使えるシーンはあると思いますが、使いどころはかなり難しいかと思います。信用取引をするならば、相応の理由を考えるべきです。

私の個人的な意見になりますが、信用取引で自分の余力を超えた投資はやらない方がよいと思います。長期投資で信用取引を使うのは特に良くないと思います。金利コストがある上にロスカットの条件により短期的な暴落で強制決済される可能性もあり、制度信用の場合はそもそも返済期限が6か月となっているのです。信用取引はそもそも長期投資に向かない制度と考えるべきです。

基本的に現物取引を使う。どうしても信用取引が必要になった時だけ利用するくらいが良いでしょう。

5.おわりに

今回は野村證券信用取引の買い方金利について調べてみました。ちなみに、野村證券貸株料は1.15(%)とSBI証券の設定値と同率になっているので、野村證券が有利なのは信用買い方のみであることには注意してください。

最近は手数料周りの話がさらに拡大してきました。SBI証券は今年の10月から100万円まで手数料が無料になり、楽天証券も追従して今年の12月から同様に100万円まで手数料が無料*4になるようです。SBI HDがライブスター証券を買収*5したりと、業界再編と共に手数料の引き下げ合戦も進んで来ています。SBI HDには地銀の再編に関する話題もあり、手数料の話云々だけでなく今後の行く末が気になるところです。