前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【決算分析】経常利益を5倍に上方修正!(PLANT)

1.はじめに

今回は決算のサプライズニュースとして紹介されているPLANT(7646)の企業分析をしてみた結果を紹介します。初心者の方には業績の掲載場所や結果の良し悪しを判断する基準について参考にしてもらえれば幸いです。なお、私はつい最近、enish(3667)の決算ギャンブルを外しているので、分析結果についてはあくまで参考程度に留めてください。

2.PLANTとは?

郊外に店舗を構える大型のスーパーで、北陸~中国地方に出店しています。本社は福井県にあります。

衣類や食品のプライベートブランドの開発も行い、品揃えの質向上に務めているようです。また、ガソリンスタンドや不動産からの収益もあるようです。これらはPLANTの公式Webサイト*1にIR情報という項目があり、そこに掲載されている決算概要から確認することができます。

3.PLANTの今回の決算について

今回の決算の概要は以下の3点が大きなネタといえるでしょう。

  • 通期経常利益計画を400.0%上方修正!
  • 3Q累計売上高は6%増と連続で過去最高を更新!
  • 3Q累計は2期ぶり最終黒字

上記はみんなの株式*2からの引用です。PLANTは他の企業と異なり、今回が3Qの決算となっています。当該ページには具体的な実績値のみ記載されており、「なぜその結果になったのか」「株価にどう影響するのか」などの考察はありません。各項目について順番に見ていきます。

通期経常利益計画を400.0%上方修正

本記事のタイトルにもしていますが、これが一番のビッグニュースだと思います。このコロナ禍の中で赤字転落する企業が多い中、売上だけでなく利益自体が数倍になる企業はそう多くないでしょう。

ただ、確かに数倍という表現のインパクトは強烈ですが、実績値を見るとインパクトはそう大きくないと捉えることもできます。経常利益について、修正前と修正後の数値、そして1年前本決算と2年前本決算の実績値を見てみましょう。

  • 前回発表予想:100(百万円)
  • 今回発表予想:500(百万円)
  • 2019年本決算:30(百万円)
  • 2018年本決算:1,276(百万円)

2年前の業績を今回の業績と比べると約3分の1になっていることが分かります。数年前は予想値よりももっと大きな金額を稼いでいたというお話です。

3Q累計売上高は6%増と連続で過去最高を更新

PLANTの長期的な業績判断としてはこちらの方が大事かもしれません。確かに、2020年の1Qから3Qまでは売上高を伸ばしていますが、2019年の4Qから2020年の1Qで一度過去最高の結果が途絶えています。本決算単位で見ると、2010年~2013年はマイナス成長で、ここ数年は1~5(%)ずつ成長しているという実績になっています。成長は続けているものの、徐々にその速度が鈍化していると考えることができます。これらの情報は株探*3というWebサイトで簡単に調べることができます。

一方で、コロナウイルスの猛威がいまだ健在の状況で、売上を伸ばしているというのは強いと思います。しかし、それについても気がかりな点があります。発表資料によると第3四半期累計期間トピックスで、売り上げに関する情報として以下がピックアップされています。

気になるのは前者の記載です。「買いだめ需要」ということは、長期的に保存できる商品を事前に買っておくということですから、以降の売り上げの先取りとなっている可能性があります。

3Q累計は2期ぶり最終黒字

「2期ぶり最終黒字」ということは、前年の3Qは「赤字だった」ということです。もちろん、これには理由があります。2019年の2Q(1~3月)に淡路店、斐川店、伊賀店の固定資産残存簿価*4を減損処理し、特別損失*5として計上したからです。これは簡単に言うと、「価値が無くなった資産について、利益からその資産価格を差し引いた」ということです。つまり、営業不振だったわけではありません。一方でこの処理がなければ赤字にもなっていないので、「黒転」になったという結果も決算としてはあまりインパクトのない話かもしれません。

業績に関するまとめ

増収増益、黒字転換、通期経常利益予定の上方修正とサプライズ決算となっています。一方で経常利益の黒転はおそらく織り込み済みで、増収増益についても株価に反映済み(織り込み済み)かと思います。そもそも、公式Webサイトに月次売上も公開されてますから、織り込んでいないと判断する方が難しいでしょう。

4.テクニカル分析

実際に株価がどうなるのかという観点について、株価のローソク足チャート*6を見てみましょう。

■3月から8月までのPLANTの株価チャート

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3月にコロナショックの影響で株価が下落した後に、4月の終わりで株価が暴騰しています。ここは2Qの決算のタイミングで「2019年4Qから2020年1Qにかけて営業利益が黒転した」ことを受けてのことだと思います。暴落直後で株価が戻りきっていない状態からの好決算で株価へのインパクトは大きかったのではないでしょうか。また、暴落前からも下落傾向にあったことも暴騰の要因の一つでしょう。

暴騰した後は順調に下落していき、100日移動平均線をサポートラインに横ばいに推移しています。その後、3Q決算が近付くに連れて株価が上昇しているという状況です。すでに、200日移動平均線を突き抜け、前回高値に上回った状態です。

また、気になるのは出来高*7で、前回も今回も決算の前に大きく売買されています。そして、その後に株価が上昇しているという点も一致しています。ここから推測するに、株価の動きは次の2パターンではないかと考えています。

  • 月曜日の寄り付きで高騰もしくはストップ高*8となり、その数日後から200日移動平均線に向けて下落していくパターン
  • 月曜日から徐々に200日移動平均線に向けて下落していくパターン

どちらのパターンも最終的には移動平均線に向けて一旦下落するのではないかという推測です。200日だけでなく25日移動平均線からの乖離も大きいことも理由の1つです。一方で、業績自体は確実に良くなってきているので、調整が終わったあとは徐々に株価が上昇していくと思います。

5.おわりに

今回は決算時期ということもあり、決算を考察する記事にすることにしました。私自身、まだまだ決算短信の読み込みや業界の状況、チャートの分析方法など学習している最中ですが、勉強ノートらしく考えた結果を定期的にこのような形で提示していこうと思います。

分析対象としてこの企業を選んだのは今期決算で「黒転」企業となっていたからです。7/31(金)大引け後の決算発表の結果を全て抜き出して、その中から売上高を見て比較的順調に成長してそうな企業としてピックアップしました。また、クロネコヤマトで知られるヤマトホールディングスも黒転企業になっていましたが、有名な企業は有名な人が分析しているだろうということで、今後も「誰も見てなさそうな企業」を分析してみようと思います。