前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

【企業分析】GCA(2174)

1.はじめに

今回は株探の銘柄ニュース*1で紹介されたGCAについて分析します。

2.事業概要

GCAM&A関連事業を展開しています。企業Webサイトの業務内容によると以下の3つのサービスを提供しているようです。ただし、決算短信上はアドバイザリー事業の単一セグメントとして扱われています

3.業績分析

まずは通期業績の確認から。2/12(金)に2020年12月期の決算が発表されています。2021年3月期の会社業績予想は6/2(水)に上方修正された最新の予想が発表されていますので、以下の表に併記します。

通期業績 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 23,719 21,901 34,000
(前期比) -11.10% -7.70% 55.24%
営業利益 3,383 1,760 4,700
(前期比) -2.80% -48.00% 167.05%
経常利益 3,373 1,796 4,700
(前期比) -3.40% -3.40% 161.69%
当期純利益 2,313 864 3,200
(前期比) -5.20% -62.70% 270.37%

2019年12月期と2020年12月期はどちらもそれなりの減収減益となっています。一方で、上方修正もあった2021年12月期の会社業績予想は売上高が50%増で、営業利益は1.6倍の見込みになっています。

会社業績予想に対して、1Q決算の実績がどうだったのか確認してみましょう。

1Q 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 4,474 3,045 6,261
(前期比) 5.70% - 105.60%
営業利益 342 -6 496
(前期比) -12.80% - -
経常利益 324 -72 615
(前期比) -18.10% - -
当期純利益 156 -32 396
(前期比) -32.80% - -

売上高は確かにかなり増加していますが、通期業績に対する進捗率は、売上高が18.6(%)で営業利益が13.0(%)とかなり物足りない実績です。しかし、開示された順序は1Q決算が先で、上方修正が後です。その理由を考えて見ましょう。

各四半期の実績を見ると、4Qに計上される売上高は2019年は1Qの約1.8倍、2020年は1Qの約3倍となっており、4Qにかなり偏重しています。1Q~3Qの売上高を1Q相当として4Qを1Qの2倍で計算すると、313億円になります。これは会社の業績予想にかなり近く、適切な業績の上方修正であると判断できます。

4.財務分析

次に財務を確認してみましょう。気になるポイントを列挙します。

  • その他の流動負債が38億円減少している。(約5割減)
  • 短期借入金は5億円、長期借入金は13億円。(ほぼ変動なし)
  • 現金が56億円減少している。(約4割減)
  • 自己資本比率は66.6(%)で、流動比率は2.2倍。
  • 1Qの営業CFがマイナス。昨年4Qの営業CFはプラス。
  • 配当性向は約50(%)前後。2020年は1.7倍。

財務も特に問題となりそうなポイントはありません。気になるのはキャッシュの入りも4Q偏重である点くらいでしょうか。

配当に関しては、配当利回りが3.57(%)と高く、コロナの影響で減収減益だった2020年も金額を維持している点は高評価。その反面、上方修正された業績ベースでも配当性向は50(%)とかなり高めで、現金の状況にもよりますが減配のリスクは少しばかり意識した方が良い感じでしょうか。

5.チャート分析

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コロナショック後からはほぼ順調な上昇トレンドで株価を戻してきました。コロナショック直前の最高値は昨年1/7の1029円です。本日はほぼ寄り天になっていますが、移動平均線からの乖離が少なくなってからは上昇トレンドに沿って再度上昇をし始めるのではないでしょうか。

6.まとめ

短期投資では、上昇トレンドに乗るために、ニュースの買いが落ち着いてから買いに行っても良さそうです。指値するなら節目の900円と言ったところでしょうか。

長期投資では、本日の株価でちょうどPER15倍でさほど割安ではありません。営業利益の最高値は2011年で、長期的に成長をしているとは言えないので、見送った方が良さそうです。

7.おわりに

M&A関連事業はコロナショック後の事業再編にあたり、かなり恩恵を受けそうな業種と思います。今回話題に上がる前に一度目を付けて売買したことはありましたが、勉強して改めて調べてみるといろいろ気付くこともありますね。コロナショック後の上昇は多くの銘柄が金融相場の恩恵を受けているので、今後株高になるかどうかは、本企業の実力次第ということになるでしょう。きっと。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】フェローテックホールディングス(6890)

1.はじめに

今回も株探で本日の【イチオシ決算】*1として話題になったフェローテックHDについて、業績と財務を見ていきます。

2.事業概要

フェローテック半導体関連商品のメーカーで、主力製品は以下の8種類となっています。

  • サーモモジュール
  • パワー半導体用基盤
  • 磁性流体
  • 真空シール
  • 石英製品
  • セラミックス製品
  • cVD-SiC製品
  • 半導体用シリコンウェーハ
  • 装置部品洗浄

各製品の概要について、企業Webサイトで解説動画が公開されているので、興味があればそちらもご覧ください。

半導体不足のニュースは各所で話題になっており、将来有望と思える本企業の状況を確認していきましょう。

3.業績分析

5/14(金)に発表された2021年3月期本決算の内容から、過去の通期業績の実績と会社業績予想を確認していきましょう。

通期業績 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 81,613 91,312 105,000
(前期比) -8.80% 11.90% 15.00%
営業利益 6,012 8,730 15,000
(前期比) -31.50% 45.20% 71.80%
経常利益 4,263 7,317 13,600
(前期比) -47.10% 71.60% 85.80%
当期純利益 1,784 7,371 7,800
(前期比) -37.30% 313.00% 5.80%

2020年3月期は減収減益だった一方で、2021年3月期は大幅な増収増益に転じ、2022年3月期も順調に増収増益となる見込みになっています。

会社業績予想がある程度強気なのは良い事ですが、売上高の上昇率に対して営業利益の上昇率が大きすぎるのは少し気になるところです。これまで売上営業利益率は10(%)未満でしたが、今期の目標は14.29(%)となる計算でかなりコストを削減しなければ目標未達となってしまいます。

また、2021年3月期は特別損失を21億円計上しています。そのうちの一部は太陽電池事業の契約解除*2による物のようです。

イチオシ決算で紹介された理由は、本日開示された業績予想の上方修正があったからです。その内容は純利益が約1.5倍の123億円になるという物です。しかし、これは持分法適用関連会社の増資による会計上の利益で、実際に本企業に利益が発生したわけではありません。この話自体は2021年3月期本決算の決算短信にも以下の通り記載されています。

当社は、中国で展開している半導体ウエーハ製造会社の株式を中国地方政府および民間の投資基金等へ譲渡ならびに第三者割当増資を行った結果、同社は連結子会社から持分法適用会社となりました。それに伴い、持分変動損益(特別利益)が発生しております。

完全子会社から持分法適用会社となったことで、この子会社から得られる今期以降の利益は減少する可能があります。もちろん、増資の結果として子会社自身の利益が大きく向上すれば利益は増加することになりますが。

なお、この子会社は訴訟されてもいるようです。他国、それも中国の司法の話なので詳しいことは分かりませんが、少しばかりチャイナリスクを懸念せずにはいられません。中国以外にも海外拠点は存在するようですが、新中期経営計画を見る限り中国を非常に意識していることは確かです。

4.財務分析

貸借対照表キャッシュフロー計算書から財務も確認しましょう。

  • 営業CFプラス(前年比増加)
  • 投資CFマイナス(前年比減少) ※株式取得が大半
  • 財務CFプラス(前年比増加) ※借入は返済しつつ増資などで資金調達
  • 短期借入金が70億円減少。(約6割減)
  • 長期借入金が144億円減少。(約5割減)
  • 社債が78億円減少。(約4割減)
  • 有形固定資産合計が577億円減少。(約5割減)
  • 関係会社株式が207億円増加。(約9倍)
  • 長期貸付金が28億円増加。(約100倍)

お金の動きを見る限り、自社での生産拡大よりも子会社を増やして事業拡大を目指しているようですね。売上高に対して営業利益の伸びが高いのはこれが理由かもしれません。そうなると、なおさら中国傾倒によるチャイナリスクは意識しておく必要があるでしょう。

5.チャート分析

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コロナショック以降から綺麗な上昇トレンドになっていると思います。本日の決算ニュースを中立に見るとしても、しばらくはこのまま株価上昇してきそうです。翌日の寄りがギャップアップして始まるのなら、移動平均線からの乖離が少なくなるまで様子見した方が良いかもしれません。

6.まとめ

短期投資では、チャート分析の項目で書いた通り、少し様子見をして移動平均線との乖離が少なくなった押し目を狙っていくのが良いと思います。

長期投資では、すぐに飛びつかずに1Qの決算が発表されるまで待ち、1Qの売上高と営業利益から会社業績予想が適切かどうか考えた方が良いと思います。今回の上方修正の影響で、予想PERは8.3倍の超割安になったように見えますが、当初の業績予想から計算した13.9倍相当であると考えた方が良いです。

7.おわりに

半導体業界の企業だけあってラジオ日経でも株探でも良く話題になる本企業ですが、引っかかる点もそこそこ見つかりました。長期投資はともかくとしても、この綺麗な上昇トレンドには何処かで乗るかもしれません。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】内田洋行(8057)

1.はじめに

今回は本日3Q決算を発表した内田洋行について調べます。株探の一押し決算として記事*1になった銘柄の1つです。

2.事業内容

内田洋行は「公共関連事業」「オフィス関連事業」「情報関連事業」の3つの事業を展開しています。企業Webサイトで掲載されている各事業の一部を紹介します。

  • 公共関連事業
    • GIGAスクール構想対応 (教育用端末に関するサポートなど)
    • 児童相談システム
  • オフィス関連事業
    • オフィス家具・LED
    • ICTツール
  • 情報関連事業
    • 法人企業向けERP・業務システム
    • 情報共有システムコミュニケーションツール

3.業績分析

まずは本決算の実績と今期の会社業績予想を確認しましょう。会社業績予想は2回上方修正されており、以下の表はその最新の予想を紹介します。

通期業績 2019年7月期 2020年7月期 2021年7月期
売上高 164,386 200,307 280,000
(前期比) 8.50% 21.90% 39.80%
営業利益 3,813 7,242 9,000
(前期比) 29.70% 89.90% 24.30%
経常利益 4,155 7,834 9,600
(前期比) 27.80% 88.60% 22.50%
当期純利益 2,415 3,490 5,400
(前期比) 31.90% 44.50% 54.70%

今期の会社業績予想を含め、直近の業績は非常に良く成長してきていることが分かります。直近の業績予想は増収減益でしたが、2度の上方修正により大幅な増収増益に転じました。その理由は3Q単体の売上高が非常に高くなったからです。2Q連結の売上高は985億円ですが、3Q連結の売上高はなんと2365億となっており、3Q単体の売上高は2Q連結の売上高を上回っているのです。

今期の業績状況の確認のため、3Q決算のセグメントの業績も確認していきましょう。

公共関連 2020年7月期 2021年7月期 (前期比)
売上高 64,336 142,926 122.16%
営業利益 5,671 10,342 82.37%
オフィス関連 2020年7月期 2021年7月期 (前期比)
売上高 39,543 35,059 -11.34%
営業利益 835 -154 -
情報関連 2020年7月期 2021年7月期 (前期比)
売上高 49,391 57,898 17.22%
営業利益 1,707 1,630 -4.51%

どうやら大幅な増収増益は公共関連事業が非常に成長したからだということが分かります。この成長理由は定性的情報の項目に記載されていました。

ICT 関連ビジネスでは、国のデジタル庁設置が決定するなど、将来の社会課題解決に向けてのICT整備が着実に進もうとしています。

(中略)

以上のような状況から、当第3四半期連結累計期間では、「GIGA スクール構想」案件の導入が集中し、教育 ICT 分野の売上高は大幅に増大しました。

つい昨日の記事で「政策に売り無しは本当なのか疑問に思った」という話をしましたが、まさにその政策によって大幅成長を成し遂げようとしている企業がここに存在したということになりますね。

このGIGAスクール構想の増収増益に貢献したのが、子会社であるウチダエスコ(4699)です。こちらも最初に紹介した株探の記事のイチオシの対象になっています。

4.財務分析

それでは現在の財務状況についても確認しましょう。

  • 支払手形及び買掛金が519億増加。(3倍)
  • 短期借入金が134億増加。(7倍)
  • 受取手形及び売掛金が751億増加。(3倍)

「支払手形及び買掛金」と「受取手形及び売掛金」は商売の規模が突如大きくなった影響でしょう。短期借入金も同様の理由かもしれません。これら以外は大きな変化はありません。また、長期の借入金も存在しません。

2020年7月期時点の自己資本比率は34.0(%)で、一般企業(卸売業)の平均水準となっています。ただし、現3Q時点は売掛金と短期借入金の影響で23.4(%)に減少しています。流動比率は1.2倍と特に問題はありません。

5.チャート分析

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コロナショック前後で怖ろしい株価変動しています。コロナショック前の株価急騰は2020年7月期1Qの「前期比31倍」という大幅な増収の記事*2インパクトの影響ですかね。コロナショック前の最高値8530円を2020年7月期実績でPERを計算すると23倍で、ここから急落したことになります。この時点ではまだGIGAスクール構想の売上はさほど乗っていません。逆に現在は売上が充分に乗った影響でPER8.8倍まで割安になっています。これはウチダエスコも同様です。

チャートとしてはコロナショック前後の高安からの三角持ち合いの状況に見えます。今回の決算を受けて上抜けし、上昇トレンドに転じる可能性は充分あると思います。

6.まとめ

短期投資では、明日以降の値動きが決算を好感する様子であれば買っていっても問題ないように思います。移動平均線は5日、25日、75日がちょうど交わっている状況で、ここから上昇トレンドに移行することも充分ありえます。

長期投資では、政策予算などをしっかり自分で調べて投資した方が良いかと思います。良くも悪くも現在の状況は政府予算に依存しており、政府見込みのDX化に目途が付けば受注が急減する可能性もあるからです。割安なPERだからといって飛びつくと危険かもしれません。

7.おわりに

金曜日にキーボードが壊れて調達したりしていたので、数日ぶりの企業分析となりました。自分の投資先を探すためにも、じっくりのんびり様々な企業を分析していこうと思います。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【振り返り】2021年5月

1.はじめに

今回は早くも5月が終わってしまったので、私自身の今月の振り返りを記録しようと思います。

2.売買銘柄と損益

今月は以下のような結果になりました。

コード 銘柄 損益
1540 純金上場信託 ¥1,481
1541 純プラチナ上場信託 ¥12,480
1542 純銀上場信託 ¥12,149
1543 パラジウム上場信託 ¥64,880
1306 TOPIX連動型上場投信 ¥1,510
1569 TOPIXベア上場投信 -¥8,746
1716 第一カッター興業 ¥1,600
1893 五洋建設 ¥4,600
2201 森永製菓 -¥41,400
3916 デジタル・インフォメーション・テクノロジー -¥5,760
3940 ノムラシステムコーポレーション -¥14,710
4058 トヨクモ ¥18,600
4584 ジーンテクノサイエンス -¥46,281
合計 ¥403

コモディティETFのポジション調整の売却金額である90,990円を短期トレードの個別株売買でほぼ全て吹き飛ばした感じになりました。

全体的な反省点としては、下落トレンドの銘柄にファンダ観点で有利と見て仕込んだのが良くなかったと考えています。そこそこ大きく仕込んだ5銘柄について、詳しく見ていきたいと思います。

3.個別銘柄分析

五洋建設

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当時の売買メモは以下の通り。3/10から徐々に買い増しして、600株にしました。

日経ラジオセミナーでインフラや洋上風力の企業として取り上げられていた銘柄。100MAを数日サポートラインにして、本日は20MAを陽線で抜けた。今期は前期より減益減収だが、その前期である2020年度は売上高、営業利益ともに過去最高値。既にコロナショック前の株価は超過しており、PER12.9倍、PBR1.59倍になっているので、PER20倍相当として株価1293円を目標とし、中期目線で仕込む。利回りは現時点で3(%)。

中期目線と言いながら、4/27(火)から数日で手仕舞いしました。理由は、取得単価近辺まで下落したことに加え、GW期間が再度の緊急事態宣言発令となり「政策に売り無し」に疑問を感じたから。決算発表を受けて大幅安となったので、あくまで「結果的に」正しかった様子。とはいえ、「下落したら売り」が改めて大事だと思い知らされた事例でした。

第一カッター興業

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当時の売買メモは以下の通り。五洋建設と同じタイミングで買い始め、300株にしました。

日経ラジオでも紹介されていた建設業。セミナーでもインフラ系として取り上げられてたか?バリューに資金が入ってきているので、タイミング良しの認識。決算前は売られてきたが、決算後は100MA手前で切り返し、20MAと60MAを抜けた。直近は陰線下髭。直前の高値保有者の影響で上値が重くなっているが、一方で底堅い買われているように思う。


時価総額165億の小企業。株式分割をしているものの年足でも堅調に株価上昇している。業績の方も堅調で、今年は業績落ちるものの、2020年6月期が過去最高と順調。財務も健全で、流動負債・固定負債は割合が小さく、利益剰余金の割合は大きい。固定負債は通年の純利益の一部で返済できる水準。資産に占める現預金の割合も大きい。それでいて、建設業だからかPERは13.5倍、PBRは1.23倍と割安に放置されている。

そして、手仕舞いタイミングとその理由も五洋建設と同様。こちらは4月中旬の大陰線が出たタイミングで早く手仕舞いしていればもう少し利益が出たはず。中期目線という欲を出して、目先の利益を失った形ですね。「保有後の最高値から5(%)下落したら手仕舞い」はしなかったのですが、やはり大事だと思います。やり方についてはもう少し試行錯誤しようと思っていますが。

森永製菓

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購入理由は「コロナショック時点の株価水準まで下落していて、PERも割安だから」とあまり分析もなしの簡素な理由でした。正直コロナショックが底値だろうという考えもありました。

結局、決算を前に徐々に下落し始めたので、5/17までに全て損切りしました。結局その後も底を掘り続けています。

ジーンテクノサイエンス

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日興証券IRセミナーの企業IRを見て、初めて「事業内容から購入してみよう」と思った銘柄。セミナーでのIR担当(だったと思う)の早期黒字化の解説があり、実際に直近の四半期は黒字だったことから、2022年3月期は黒字の業績予想を出してくるかもしれないという期待もありました。

添付のチャートは日足チャートなので分かりにくいですが、年足で見ると350円前後が底値な一方で何かのきっかけで跳ねるパターンなこともあり、あくまで期待値は高い(損しても少なく利は大きい)と想定していました。

残念ながら決算発表の結果は黒字化どころか大幅な赤字拡大見込みとなっており、完全に目論見は外れました。結果を見てすぐにPTSで文字通り「投げ売り」をして、チャート上の下髭よりも安く処分することになりましたが、まあ仕方のない事でしょう。

次からは赤字銘柄(特にバイオベンチャー)の大口は一切信用しないことを心に刻みました。ちなみに、この企業はもうすぐ社名をキッズウェル・バイオに変更するそうです。社名変更で「早期黒字化」をうやむやにするんじゃないかと、今はそう思う程度の信用度です。

ノムラシステムコーポレーション

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以前、プライム市場への上場目標で自社株買いをするのではないか*1と推測した銘柄のうちの1つです。5/10から徐々に買い増しして500株揃えたものの、結局自社株買いの発表は出ず、それどころか従業員への自己株式処分の開示が出ました。結局、ジーンテクノサイエンス同様にPTSでやや控えめに投げ売りしました。

結局、決算は無風ではあったものの下落トレンドは継続中。どこまで下落するんでしょうね。

4.おわりに

下落トレンドで仕込むのは不利と理解していても、ファンダなどの他の有利があるとトレードしてしまうのは良くないと改めて思いました。買うのなら下げ止まりをしっかり確認してから。それさえも我慢できずに手を出すのなら、損切りの徹底をと言ったところでしょうか。

しばらくは出来るだけトレードを控えようと考えています。実際、それなりに資金を引き上げて余力を保持しています。相場全体が不安定になってきてるように思いますから。のんびり休憩しつつ夏枯れを超えるまで待ち、その後に買う良銘柄でも企業分析しながら探していくとしましょう。

【企業分析】ジェイテック(2479)

1.はじめに

今回は本日ストップ高になったジェイテックについて調べてみます。

2.事業概要

ジェイテックは人材派遣業を展開している企業です。企業Webサイトによると機械設計やソフトウェア開発に関する人材派遣と業務請負を「技術職知財リース事業」と呼んでいるようです。決算短信の報告セグメントによると「技術職知財リース事業」「一般派遣及びエンジニア派遣事業」の2つに分類されています。

3.業績分析

本企業の2021年3月期の本決算は5/11(火)に発表されています。確認していきましょう。2022年3月期は会社の今期業績予想で、単位は百万円です。

通期業績 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 3,034 2,771 3,435
(前期比) -2.90% -8.70% 23.90%
営業利益 141 -56 10
(前期比) -10.00% - -
経常利益 139 78 28
(前期比) -10.70% -43.6 -64.4
当期純利益 90 40 6
(前期比) -0.90% -55.2 -85.2

2021年3月期は減収減益で営業赤字に陥っています。緊急事態宣言の影響が最も大きかった時期だけでなく、全ての四半期で営業赤字になっています。経常黒字になっているのは助成金収入があったからですね。1.2億円計上されています。

2022年3月期の業績予想は約24%の大幅増収となり、営業利益も黒字転換する見込みになっています。しかし、この売上高は過去最高水準であるのに、2020年3月期の営業利益の10分の1以下であることは少し不思議です。

各セグメントの業績も見てみましょう。

技術職 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 2,915,983 2,712,560 -6.98%
営業利益 455,095 316,507 -30.45%
一般/SE 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 124,926 59,283 -52.55%
営業利益 6,844 -23,955 -

主事業の技術職知財リース事業は減益になっているものの黒字は維持しています。一般派遣及びエンジニア派遣事業は赤字になっているものの、前者の黒字と比べれば小さいものです。では何故赤字なのか。本社の管理部門などの一般管理費が約3.4億円計上されているからです。

最後に本日発表された中期経営計画を見てみましょう。売上高だけを抜粋します。ちなみに、これがストップ高になった原因のようです。

中期経営計画 売上高 (前期比)
2021年3月期 2,771 -8.70%
2022年3月期 3,435 23.96%
2023年3月期 3,900 13.54%
2024年3月期 4,389 12.54%

今期から3年間は毎年2桁成長をする宣言となっています。これが実現すればかなり素晴らしいと言えるでしょう。しかしながら、本企業は2015年以降の実績を見ると、2桁成長どころかマイナス成長の方が目立つような売上高の横這い状態が続いています。M&Aを積極的に行っていくということのようなので、事業拡大にあたっての手腕が問われることでしょう。

4.財務分析

M&Aを進めていくのなら充分な現金が必要になります。財務の方も確認していきましょう。

  • 長期借入金が1.5億増加している。
  • 現金は13億円計上されている。
  • 流動比率は3.6倍、自己資本比率は45(%)。
  • 自社株買いも実施している。*1

全体的に大きな変動は無く、財務はかなり健全な感じです。わずかに建物の資産額が増えた感じです。

キャッシュフロー計算書を見ると、営業CFはプラス、投資CFはマイナス、財務CFはプラスしています。CF上からも攻めの姿勢が見て取れます。

5.チャート分析

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このチャートは年足チャートです。まるで株価が上昇しておらず、投資家からは期待されていない事が分かります。業績もずっと横這いだったので、当然の事象と言えます。

今回、中期経営計画の発表で株価が暴騰しましたが、業績に期待した買いはほぼ無く、仕手株好きに弄ばれているだけでしょう。もっとも、参加者はみな分かってバトンリレーしているのでしょうけれど。

6.まとめ

短期投資では、超短期のバブルが発生しているだけなので避けるべきです。長期投資では、中期経営計画に対してあまりにも実績が伴っていないので避けるべきだと思います。

7.おわりに

最近感じている事は「ストップ高になる銘柄でまとも銘柄は存在しないのではないか」ということです。一部の投機家が小さなネタをきっかけに小規模なバブルを起こすからストップ高が発生するのかなと。そして、ある程度の業績のある中型株・大型株に対して同じことをするのは難しいからです。

本日のネタとして、最初はタチエス(7239)を分析しようと思いましたが、こちらは大株主なども調べて見た方がよさそうなので、明日以降じっくり調べてみようと思います。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】エアトリ(6191)

1.はじめに

今回は株探検索キーワード2位のエアトリについて調べてみようと思います。

2.事業概要

航空券予約サイト「エアトリ」はわりと知名度が高いと思います。私も使ったことはありませんが、聞いたことはあるくらいです。しかし、旅行事業以外にもいくつか事業を展開しているようです。企業Webサイトの事業系統図によると、6種類の事業に区分されています。

  • エアトリ旅行事業
  • 訪日旅行事業・Wi-Fiレンタル事業
  • ITオフショア開発事業
  • ライフイノベーション事業
  • ヘルスケア事業
  • 投資事業

3.業績分析

エアトリの本決算は9月で、昨年11月に2020年9月期の本決算の決算短信が公開されましたので、まずはその資料から通期の業績を確認します。

通期業績 2019年9月期 2020年9月期 2021年9月期
売上高 24,306 21,191 24,300
(前期比) 95.60% -12.80% 12.79%
営業利益 680 -8,760 1300
(前期比) -41.00% - -
経常利益 588 -8,956 1240
(前期比) -48.30% - -
当期純利益 729 -8,483 741
(前期比) -26.00% - -

新型コロナウイルス感染症に対する自粛の影響で、大幅な赤字に陥っています。減損による当期純利益の赤字計上ではなく、営業利益が大赤字であることに注意です。

一方で今期の会社業績予想は大きく回復する見込みになっています。これは甘い見込みというわけではなく、3/15と4/15に順次上方修正した結果なので、充分に期待できる数値なのでしょう。

では、実際の状況はどうなっているのか。2021年9月期の2Q決算が発表されているので、そちらも確認します。

2Q業績 2019年9月期 2020年9月期 2021年9月期
売上高 10,643 14,741 11,202
(前期比) 208.50% 38.50% -24.00%
営業利益 178 -1,332 2,001
(前期比) -77.40% - -
経常利益 140 -1,425 1,955
(前期比) -82.20% - -
当期純利益 145 -791 1,443
(前期比) -74.80% - -

売上高こそ前年同期比で減収となっていますが、驚くべきことに既に利益は会社業績予想を超過しています。2019年9月期(2Q)は1.6(%)だった売上営業利益率が、2021年9月期(2Q)は17.8(%)に急改善しています。まだまだ厳しい状況が続く中、素晴らしいコスト削減の成果だと思います。

ただし、この売上営業利益率の改善は注意しないといけないことがあります。損益計算書によると、営業利益の計算に「子会社の支配喪失に伴う利益」が、約6億円計上されています。そのため、現実的な売上営業利益率は12.5(%)だと考えた方が良いです。それでも、充分に素晴らしい業績だと思います。

旅行事業はまだまだ厳しい状況だと思いますが、各セグメントの売上と利益はどの程度でしょうか。確認しましょう。

オンライン旅行 2020年9月期 2021年9月期 (前期比)
売上高 13,653 9,931 -27.26%
営業利益 -473 1,394 -
ITオフショア開発 2020年9月期 2021年9月期 (前期比)
売上高 1,441 1,068 -25.88%
営業利益 53 613 1056.60%
投資 2020年9月期 2021年9月期 (前期比)
売上高 71 345 385.92%
営業利益 -243 435 -

あまり偏ることなく減収増益になっています。このコストの削減状態を維持したまま、アフターコロナの業績回復期に突入するとしたら、かなり大きく成長するかもしれません。

4.財務分析

大赤字の後だと気になるのは倒産の懸念はあるのかないのかという点だと思います。それでは2021年9月期2Q決算短信から、財務を確認していきましょう。

  • 資本金が約25億円減少。(約8割減)
  • 資本剰余金が約38億円減少。(約8割減)
  • 利益剰余金は約90億円増加。(黒転)
  • 有利子負債(流動負債)が約2億円減少。(約5%減)
  • 有利子負債(非流動負債)が約18億円減少。(約4割減)
  • 現金は約14億円減少。(約2割減)
  • 流動比率は約2倍、自己資本比率は約25(%)。

想像以上に財務は健全だと思います。利益は増加して負債は返済しているので、自己資本比率が前年の9.0(%)から21.1(%)まで改善しています。

しかし、開示情報を見ると、財務改善にはそれなりの痛みを伴ったことが分かります。新株(MSワラント)や社債を発行*1して資金を調達したり、純資産を切り崩して配当額を維持*2するなど、昨年8月頃から資金繰りに苦労していた様子です。

5.チャート分析

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2Q決算発表当日を底値に急激に株価が高騰しています。業績に沿った買いが入ってきているものと思いますが、直近は20日移動平均線から大きく乖離しているので、今買うのは高値掴みになる可能性が高いです。

それでも各移動平均線は上向きの上昇トレンドなので、多少高値掴みしてもそのうち株価は戻るのではないでしょうか。良業績なのもあって買いはしばらく続きそうです。ただし、コロナショック前の高値は大きく更新しているので、状況が変わったと思ったら降りることも大事だと思います。

6.まとめ

短期投資では、20日移動平均線くらいまで下落する、あるいは移動平均線の方が追いつくくらいまで待ち、押し目を買いに行くのが良いと思います。

長期投資では、アフターコロナが見えてくるまでは様子を見た方が良いかもしれません。いまだワクチンの接種はあまり進んでおらず、オリンピックの開催有無も不明という、外的要因で業績がどう変化するのか予測できないためです。2Qまでの実績は非常に素晴らしいですが、通期業績を半期実績の2倍と仮定して計算しても、PER25倍相当です。そして、PBRは13.50倍とかなり割高な状況です。もしも、アフターコロナより前に買うとすれば、長期投資でも業績悪化ですぐに損切りする意識は持っておくべきです。

7.おわりに

今回は資本剰余金を切り崩して配当にする時、企業からの開示があることを知りました。そして、その場合の配当は課税されないということも。*3

ここのところ、企業分析ばかりしてきましたが、決算シーズンも終わりましたし、ネタ切れになる可能性もありますね。まだクシムの分析は終わってないので、それはいずれやるとして、たまには投資本などの読了記録等も書いていこうと思います。需要は無さそうな気もしますけどね。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】カイノス(4556)

1.はじめに

今回は本日ストップ高となったカイノスの業績と財務を確認してみます。

2.事業概要

カイノスは医薬品や化学薬品などの開発や製造販売の事業を行っている企業です。本日のストップ高の原因は新型コロナウイルス感染症の検査試薬を販売するというニュース*1が原因のようですね。

3.業績分析

私は「業績の伴わないニュースによる高騰は売り」だと思ってるので、さっそく今回も業績を確認していきましょう。5/7(金)に2021年3月期の本決算が発表されています。単位は百万円です。

通期業績 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 4,609 4,257 4,600
(前期比) -1.30% -7.60% 8.00%
営業利益 608 632 600
(前期比) 4.70% 3.90% -5.10%
経常利益 616 653 600
(前期比) 3.30% 6.10% -8.20%
当期純利益 398 417 400
(前期比) 3.30% 4.70% -4.20%

若干の減収増益といった良く見かける業績の変化で、投資先としては成長があまり見えない分、対象外となりそうな実績です。今期業績予想も増収減益見込みと決して良いとは言えません。

しかし、偏見だとは自覚していますが、バイオ系の小型株なのに継続して黒字であるだけで随分と良企業に見えてしまいます。ニュースを見てから、実際に業績を見るまでは「どうせ赤字でしょう?」とかなり失礼な先入観を持っていました。

損益計算書はかなり細かく記載されていて、この点でも好感が持てます。販管費には「研究開発費」だけでなく「旅費及び交通費」「交際費」などなど合計26項目もびっしり書いてあります。各項目の数値が妥当なのかどうかは不明なのでここでは触れません。正直なところ、詳しく書いてあればあるほど報告内容の信憑性が高くなると思っています。不正をしようとする人ほど数値は隠したいでしょうからね。

四半期ごとの売上高はおよそ10~12億円程、営業利益は5000万~2億円程という状態が数年に渡り続いています。安定こそしていますが、大きな成長は望めないかもしれません。

4.財務分析

次に財務を見てみましょう。貸借対照表キャッシュフロー計算書から気になるポイントを列挙します。

  • 自己株式の項目が9000万円分減少している。
  • 長期借入金が1億円分減少している。
  • 現金が2.7億円増加している。
  • 流動比率は約2.1倍、自己資本比率は66.9%。

大きな借入もなく、現金も充分にある安定した財務だと思います。また、自己株式のマイナスから、自社株買い*2をしていることが分かります。

過去の開示情報を見ると、自己株式の処分による資金調達*3もしているようです。資金の調達先は旭化成ファーマで、目的は事業提携強化のようですね。

「大きな成長は望めないかもしれない」と言いましたが、資産面は順調に増加しています。1株あたりの純資産は2016年3月期時点で801.35円でしたが、2021年3月期は1138.21円になり、約1.4倍に増加しています。配当もリーマンショック以後は安定しており、増配も徐々に行われています。配当性向自体は15(%)と決して高くはないので、この点でも安定した企業だと言えます。

5.チャート分析

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これは日足チャートです。ニュースに飛びついたイナゴがびっしり張り付いたのが良くわかります。流石にコロナウイルスが蔓延し始めた昨年1~2月頃程の高騰には届いていませんが、本日の売買だけでそれ以後の最高値まで到達しています。

6.まとめ

短期投資では、今から触るのは絶対に止めた方が良いです。現在は売り抜けるのに失敗したら大損をするバトンリレーをしている状態だと言えるでしょう。空売りも出来ませんので高値で飛びついてもヘッジすら出来ません。火傷をしたいのなら止めはしません。

長期投資では、今の過熱感が完全に冷めたタイミングで買うのが良いでしょう。過熱しすぎた銘柄は売られる時の悲観状態も過度になり気味です。悲観の売りも収まり、徐々に反発も見え始めた頃。その時が絶好の買い場だと思います。

大きな成長は見込めないかもしれませんが、損も少なく堅実に稼げる銘柄だと思います。1000円で買えれば現在の営業利益水準でもPER10倍割れ状態になりますから、非常にお得だと思います。

7.おわりに

バブルってこうやって出来上がるんだなとしみじみ思った次第です。自分自身も短期投資をやってますし、こういう値動きを否定はしません。最初の方に仕込めるチャンスがあるのなら、参加だってするでしょう。それでも、こういう値動きに対して大金持って飛び込むことはおそらく無いでしょう。最後に誰が大損するのかを知る術はありませんが、頑張ってくださいとしか言いようが無いです。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。