前のめりSE投資家の勉強ノート

将来の資産形成を目的として、株式や債券など様々な金融商品への投資をやっています。充分な利益を目指し、日々勉強しています。

アフターコロナで復帰を狙う外食業5選

1.はじめに

今回はワクチン接種が進んで世間が正常運転し始めたら、業績と株価が戻りそうな外食業を5つ程ピックアップしてご紹介しようと思います。

2.選定基準

バフェット・コードで外食業25社を比較し、PER(会社予想)、PBR、ROE自己資本比率を基準に、バランスの良い企業を選びました。

3.選んだ5銘柄

日本KFCホールディングス(9873)

ケンタッキー・フライド・チキンを展開する企業です。現在の企業状況は以下の通りです。

時価総額 62,420
PER(会予) 22.0倍
PBR 2.6倍
配当利回り(会予) 1.80%
営業利益率 7.10%
ROE 11.90%
自己資本比率 55.30%

ROEが約12(%)と高く自己資本比率も50(%)超過と、成長度合いも財務状況も優秀です。さらに、緊急事態宣言などによる自粛の影響を受けても、営業赤字にならなかった点も素晴らしいと言えます。

株価面では、ウィズコロナでも同様に業績を落とさなかったマクドナルドのPER32.5倍と比べると割安で、KFC自身の株価と比べてみてもコロナショック前の高値には程遠い現在株価です。

また、配当利回りは1.8(%)と現時点の他外食企業と比べても高めで、配当性向も50(%)ほどと危険の無い水準です。株価上昇を待ちながらのんびり待っていても良いのではないでしょうか。

壱番屋(7630)

CoCo壱番屋を展開する企業です。現在の企業状況は以下の通りです。

時価総額 154,199
PER(会予) 44.1倍
PBR 5.1倍
配当利回り(会予) 1.70%
営業利益率 5.80%
ROE 5.70%
自己資本比率 73.10%

自粛前までは増収増益を続けており、自粛後は減益減収になったもののKFCと同様に営業黒字は維持しています。そして、コロナにより借入を増やしている外食業が多い中で、自己資本比率は73(%)と財務が非常に優秀です。

株価面ではPER44倍とコロナショック前の業績を考慮してもやや割高、PBRも5.1倍とかなりの割高ではあります。

配当利回りは1.66(%)で比較的高めです。しかし、2022年2月期の予想配当性向は73(%)とワクチン摂取状況次第では若干減配リスクがあります。

アークランドサービスホールディングス(3085)

カツ丼専門店「かつや」を展開する企業です。現在の企業状況は以下の通りです。

時価総額 72,328
PER(会予) 22.6倍
PBR 3.3倍
配当利回り(会予) 1.30%
営業利益率 11.70%
ROE 10.80%
自己資本比率 68.70%

自粛後も増収増益を続けていて、2020年12月期が最高益になっています。自己資本比率は68.70(%)と財務も優秀です。

株価面では、コロナショックの株価下落は既に戻しており、その影響もあってPERは22.6倍、PBR3.3倍とやや割高になっています。

配当利回りは1.32(%)ですが、これは記念配当込みなので実質の配当は約1(%)になります。配当性向は30(%)前後で、非常に安定しています。

ドトール・日レスホールディングス(3087)

ドトールを展開する企業です。現在の企業状況は以下の通りです。

時価総額 76,712
PER(会予) 17.5倍
PBR 0.8倍
配当利回り(会予) 1.40%
営業利益率 -
ROE -
自己資本比率 81.40%

自粛の影響により、2021年2月期はかなりの営業赤字に陥りましたが、2022年2月期は黒字転換する見込みになっています。壱番屋と同様に自己資本比率が81.4(%)と非常に高く、現金比率も22.8(%)と少し赤字が継続しても安心できる水準です。

株価面では、営業赤字の影響でコロナショックで下落した株価がまるで戻っておらず、PERは本調子でない今期予想でも17.5倍でPBRは0.85倍と、アフターコロナで業績が戻れば株価も一転反発しそうな状態です。

配当利回りは1.38(%)で、今期の配当性向は24.3(%)です。2021年2月期は減配していますが、業績が会社予想通りに進むのなら、増配も視野に入ると思います。

サンマルクホールディングス(3395)

サンマルクカフェを展開している企業です。現在の企業状況は以下の通りです。

時価総額 35,000
PER(会予) 31.2倍
PBR 0.9倍
配当利回り(会予) 2.70%
営業利益率 -
ROE -
自己資本比率 67.50%

ドトールと同様に自粛の営業で前期はかなりの営業赤字に陥っており、今期は黒字転換する見込みになっています。一方で、自己資本比率は67.5(%)と高く、現金比率も26.9(%)と安心できる水準です。

株価面では、やはりコロナショックで下落した株価は戻っていませんが、2021年1月を底値に反発し始めています。PERは31.2倍で割高ですが、PBRは0.93倍と割安です。

配当利回りは2.68(%)と他企業よりもかなり高く、代わりに配当性向は83.5(%)と若干リスクのある水準になっています。実際、2021年3月期は減配しています。会社予想通りに進むなら、比較的やや高めの配当と株主優待を受け取り続けることが出来ると思います。

4.まとめ

コロナでも業績堅調なケンタッキーとアークランドサービス、減収減益だけど黒字維持の壱番屋、黒転見込みのドトールサンマルクと言ったところです。前者はこのまま増収増益期待を、後者は財務は問題ないのでのんびり反発を待つといい感じでしょうか。

5.おわりに

今回はアフターコロナの銘柄として期待できそうな外食業株を探したかったので、銘柄スクリーニングしてみました。いつもの企業分析のように詳しく業績や財務を調べてはいませんが、そこまで悪い銘柄はピックアップしていないつもりです。実際にいずれか投資することを検討しようと思っています。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】CAICA(2315) [2021年10月期2Q]

1.はじめに

今回はCAICAの2Q決算が発表されたので見ていこうと思います。

2.事業概要

CAICAは金融機関向けのシステム開発を行う「ITサービス事業」と、金融商品開発を行う「金融サービス事業」を展開しています。暗号資産販売所Zaifを有するカイカエクスチェンジホールディングス(旧Zaif Holdings)を完全子会社としています。

3.業績分析

さっそく2Q決算を確認しましょう。

2Q連結 2020年10月期 2021年10月期 通期会社予想
売上高 3,139 2,675 6,940
(前期比) -19.70% -14.80% -
営業利益 -519 -243 127
経常利益 -618 -237 123

売上高はHRテクノロジー事業をクシムに売却した影響で大幅に減少しています。HRテクノロジー事業の前年同期の売上高は約842百万円、営業利益は約18百万円の赤字であり、売上高が減る代わりに赤字が消えた形になります。

通期の売上高に対する進捗率は38.5(%)で半期で半分にも届かず、上方修正前の売上高(約65億円)で計算しても40.9(%)とかなり厳しい状況です。前年同期比で営業赤字は縮小しているものの、売上高も一緒に減少しているため、厳しい状況に変わりはありません。

また、四半期単体で見ると、1Qの営業赤字は1.2億円、2Qの営業赤字は1.1億円とほぼ同額です。直近は赤字縮小していないので、黒字化はまだまだ遠いと見るべきだと思います。

当期純利益は黒字になっていますが、これはZaif Holdingsを子会社化したことによる資産額更新*1であり、実際の利益は発生していないことに注意が必要です。

4.財務分析

ZaifHDを買収することで財務がどのように変化したのか。貸借対照表から気になるポイントを確認してみましょう。

  • 負債・純資産の部
    • 預り金が179億円増加。
    • 預り暗号資産が987億円増加。
  • 資産の部
    • 預託金が176億円増加。
    • 自己保有暗号資産が1.8億円増加。
    • 利用者暗号資産が986億円増加。
    • のれんが58億円増加。
    • 投資有価証券が44億円減少。

ZaifHDを完全子会社化したことで、金融機関と同様に顧客の預かり資産が貸借対照表に計上されるようになりました。これにより、自己資本比率が81.8(%)から7.3(%)に変化して悪化したように見えますが、これは見た目上だけの話です。顧客の預かり資産を分けて100(%)積み上げ縦棒グラフにすると、大半が預かり資産であることが一目でわかります。

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全体的に変化が大きすぎるため、今回は比率などを確認しません。前回時点で資金調達は済ませているので、あとはどうやって赤字から脱却するかというのが、本企業の目下の課題でしょう。資金の用途などの分析は過去記事で詳しく調べているので、そちらをご覧ください。*2

5.チャート分析

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一番最初の分析記事*3で懸念していた通り、2月の暴騰から一転延々と続落を続けています。最高値は880円(当時88円)だったようなので、ハンバーガーどころかクオーターバガーになっている人もいるかもしれません。

200円近辺で下落が止まったようにも見えますが、75日移動平均線はようやく下落トレンドにさしかかった状態です。決算前の出来高も特に膨らんでおらず、小型株にありがちな急騰もあまり期待できないのではないでしょうか。

6.まとめ

短期投資でも長期投資でも手を出さない方が無難という意見は、今回分析しても変わりませんでした。半期経過してZaifHDの業績が計上されても2Q単体はいまだ赤字だということは、業績面でのまともな株価上昇を期待するのは難しいと考えた方が良さそうです。

PER937倍は分析のあてにならないにしても、PBRは1.51倍と赤字継続を意識するならまだまだ割高水準です。もともと15~20円(現150~200円)だったことを考えると、まだまだ下落余地はあると思います。

7.おわりに

CAICAの企業分析記事を掲載して、もう3か月経過したと思うと月日が経過するのは早いものですね。CAICAにオンキヨーイメージワンにと小型株が急騰してしぼんで行く様を見て来ました。ここの記事を読んでる方が少しでもそのような仕手株を避け、業績に目を向けるようになってくれたら私は嬉しいです。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】gumi(3903)

1.はじめに

本日は6/11(金)に決算発表のあったgumiについて調べてみます。

2.事業概要

gumiはモバイルオンラインゲーム事業を展開しており、他社有力IPのゲームタイトルだけでなく、オリジナルのタイトルの開発・運用も行っています。また、国内でヒットしたタイトルのローカライズ業務も手がけています。

他に、新規事業としてXR事業(VR,AR,MR)として関連企業への投資や、ブロックチェーン事業として同技術の有力企業への投資を行っています。

3.業績分析

それでは本日の決算発表の結果を確認しましょう。今期の会社業績予想は開示されていないので、3年分の実績を確認します。

通期業績 2019年4月期 2020年4月期 2021年4月期
売上高 21,257 19,827 18,628
(前期比) -21.60% -6.70% -6.00%
営業利益 -1,430 2,225 1,514
(前期比) - - -32.00%
経常利益 -1,661 2,124 6,071
(前期比) - - 185.70%
当期純利益 -1,695 1,757 1,835
(前期比) - - 4.40%

銘柄ニュース*1は経常利益をタイトルに大々的に取り上げられていて、実際に大幅な増収になっていることが分かります。しかしながら、本業の儲けを表す営業利益は3割減となっており、経常利益の大幅増収のわりに当期純利益は4(%)増とかなり控えめです。これは何故でしょうか。損益計算書からその理由を探してみましょう。

  • 暗号資産評価益が11億円増加。(約2.1倍)
  • 暗号資産売却益が9億円増加。(新規)
  • 持分法による投資利益が23億円増加。(新規)
  • 減損損失が16億円増加。(新規)

簡単に結論を言うと「暗号資産の売買で利益は出たけれど、一部のゲームは利益回収出来ないから資産から除外するわ」って事です。これが経常利益は高いけど、当期純利益が低い理由です。

各セグメントの売上と利益も確認していきましょう。ゲーム事業以外は投資事業なので、売上高が無くても資産価値変動で利益が変動するようです。

ゲーム 2020年4月期 2021年4月期 (前期比)
売上高 19,718,500 18,483,885 -6.26%
営業利益 2,783,045 1,629,278 -41.46%
XR 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 44,381 - -
利益 -402,631 -119,172 -70.40%
ブロックチェーン 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 64,812 144,824 123.45%
営業利益 -155,011 2,964,646 -

ゲーム事業が減収減益になっていることが分かります。そして、ブロックチェーンの利益が大幅な増収になっている事も分かります。暗号資産のボラティリティが高いうちはこれに依存して増益減益が決まるということでしょう。これでは、この企業の株主が企業に投資しているのか暗号資産に投資しているのか、まるで分かりません。

ちなみに、4/30(金)といえばビットコインを始めとした暗号資産が大幅下落が発生する前のタイミングです。暗号資産の資産価値に大きな影響を受ける本企業は、9月に発表されるであろう1Qの決算で大幅な減益になることはほぼ間違いないのではないでしょうか。

4.財務分析

暗号資産を多数保有しているということは、それが貸借対照表に明記されているはずです。確認していきましょう。

  • 利益剰余金が16億円増加。(63%増)
  • 自己株式は-10億円。(変動なし)
  • 未払法人税が5億円増加。(2.4倍)
  • 長期借入金が20億円増加。(5倍)
  • 現金が26億円増加。(45%増)
  • 未収入金が13億円増加。(5倍)
  • 暗号資産が12億円増加。(15倍)
  • ソフトウェア資産が8億円減少。(62%減)
  • その他の関係会社有価証券が24億円増加。(18%減)

まさに「暗号資産の売買をやってますよ」というようなラインナップになっています。他に本業以上に投資事業にも力を入れているように見えます。

長期借入金による大幅な資金調達を行っていますが、これは本業に使うのか企業投資に使うのか、はたまた暗号資産へ投入するのか。それは1Qの決算を見ないと分からないかもしれません。開示情報としては「運転資金」であることのことです。*2

一方で、良くある赤字企業と違い、自社株買いをしているようです。配当も昨年から実施しており、配当利回りは0.4(%)で配当性向は8(%)と低いものの、株主への還元姿勢は伺えます。

5.チャート分析

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4月に高騰した後に下落して1000円台まで戻ってきています。出来高急増していてボラティリティの高い4/22~23は投資先に関する材料ニュース*3が出たからのようです。そのニュースもNFTやブロックチェーン関連の話とのこと。

直近は75日移動平均線をサポートラインとした押し目になるか、このまま下落して25日移動平均線と75日移動平均線デッドクロスするかの2パターンが考えられますが、「今期業績予想非開示」「2~4月期が営業赤字」というマイナス材料の業績だったことを考慮すると、このまま下落する可能性の方が高いと思います。もっとも、仕手筋に遊ばれそうな小型株ですし、ニュース記事も見栄えの良いタイトルですから、行く先はまったく分かりませんが。

下落するとしてどの辺まで下落するのか。日柄調整するのであれば数か月900円台を維持するか、値幅調整するのであれば何度か底を付けた770~780円台か。買い残は6/4時点で500万株となかなかの数量です。これも下押し圧力になるのではないでしょうか。地味に売り残も2万株程増えています。

6.まとめ

短期投資では、前述の通り押し目と続落の2パターンが考えられるので様子見が正解だと思います。買うのなら上がるのを見てから、売るのなら下がるのを見てからで良いのではないでしょうか。ただし、暗号資産の価値が次決算に大きく影響を与えるので、遅くとも1Q決算前には手仕舞いした方が良さそうです。

長期投資では、本業の利益の拡大が見えてこないので控えた方が良いと思います。株主還元は確かに進んでいますが、安定した事業とは言い難いですし、他に長期投資に向いた企業はいくらでもあると思います。

7.おわりに

決算は銘柄ニュースのタイトルに踊らされず、まずは売上高と営業利益、経常利益、当期純利益のそれぞれの変動率を良く見るべきです。一つだけ突出して増加/減少していれば、何かしらの理由があるはずです。小売業の売上高だけが大幅に増えているのであれば無茶なペースで出店していたり、営業利益だけが大幅に増えていれば無茶なコストカットを推し進めていたりするかもしれません。理想はそれぞれが順調に増加している事だと思います。

ネクソンも同様にビットコインを購入していたようですが、ゲームメーカーの特徴なんですかね?NFT技術はゲームメーカーとシナジーのある技術だと思いますが、だからと言って暗号資産を売買する理由にはならないと思うのですが、良くわかりません。また、企業への投資に関しては個別株を自分で運用しているのだから、本企業やソフトバンクグループといった投資会社にわざわざ投資しなくても良い気もするですがね、もっとも儲かりさえすればどんな手法でも良いとは思いますけれど。

とりあえず、私は地に足の着いた事業をしている企業の方が好みです。あくまで個人の好みの話です。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】コーナン商事(7516)

1.はじめに

今回は本日20(%)高になったコーナン商事について調べてみます。

2.事業概要

コーナン商事はホームセンター事業を展開する企業です。建築のプロ向けの店舗である「コーナンPRO」も展開しています。本社は大阪府にあり、店舗も大阪府だけで100店舗超ありますが、その他の地域にも出店しています。2021年2月期時点の総店舗数は481店のようです。

3.業績分析

本企業は4/12(月)に2021年2月期の本決算を発表しています。確認していきましょう。

通期業績 2020年2月期 2021年2月期 2022年2月期
売上高 374,644 442,070 442,600
(前期比) 12.30% 18.00% 0.10%
営業利益 20,060 30,919 27,400
(前期比) 0.90% 54.10% -11.40%
経常利益 18,919 29,774 25,800
(前期比) 0.80% 57.40% -13.30%
当期純利益 11,830 18,649 16,300
(前期比) 9.00% 57.60% -12.60%

2020年2月期は大幅な増収で、2021年2月期は大幅な増収増益になっています。決算短信の定性的情報には特に理由が明記されていませんが、企業Webサイトに掲載されている店舗数の推移を見ると想像が付きます。グラフにして示しましょう。

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2020年2月期に97店舗出店しており、その結果売上高が大幅に増加したと推測できます。では、2021年2月期の増収の理由は何でしょうか。今度は1店舗あたりの売上高をグラフで見てみましょう。

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店舗が増えるにつれて、1店舗当たりの売上高は減少していることが分かります。減少している理由は不明ですが、出店ペースが早いほど店員の育成は難しくなってきますし、出店が増えてくれば有望な候補地は限られてくるので、事業拡大するのなら多少悪立地でも出店するといったケースもあるでしょう。そのため、1店舗あたりの売上高が減少してしまうのは仕方のないことだと思います。

一方で2021年2月期は出店ペースが減少し、1店舗あたりの売上高も増加しています。昨年出店した店舗が軌道に乗ってきたということではないでしょうか。

4.財務分析

コーナン商事貸借対照表に大きな変化は見られないので、2021年2月期時点の状況をグラフで見てみましょう。

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有形固定資産(主に店舗そのもの)が資産の大半(48%)を占めていることが分かります。そして、流動資産は商品の割合が高く、現金は資産全体の3.7(%)しかないことが分かります。

借入金は全体の比率で見ると高くも低くもなく、自己資本比率も33.7(%)と一般的な企業の水準だと言えます。

5.チャート分析

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本日の株価が窓を開けて急騰しています。2021年2月期の業績は良かったとはいえ、決算発表タイミングではありません。では何故株価が急騰したのか。

それは物言う株主(投資会社)が大株主になったというニュース*1が原因のようです。どの投資家がどういう目的で買い上げているのか分かりませんが、エーザイ同様手を出さない方が無難だと思います。

しかしながら、エーザイと違う点は現在株価でもPERは7.6倍とかなり割安であることです。コロナショックの影響でボラティリティの高かった2020年を除けば、月足チャートで右肩上がりに成長してきています。売上高も営業利益も2021年2月期が最高値で業績も申し分ありません。

ニュースでの高騰していて直近のチャート分析は当てにならないと思いますが、2021年1月半ばあたりから横這いが続いていたので、底固めは終わっていると考えることが出来ます。現時点はボリンジャーバンド+3σを大きく上抜けしているので、一旦は反落した後にやや間をおいてから上昇トレンドに転じるというシナリオはあると思います。

6.まとめ

短期投資では、少し値を戻すまで待って再度の反発を見届けてからエントリーするのが良いと思います。ニュースでの上げのため、明日も大きく上昇するかもしれませんが、それには手を出さない方が良いと思います。

長期投資では、短期投資と同様のタイミングで仕込むのが良いと思います。業績好調でPER/PBR共に割安な銘柄なので、3200~3400台で買うことが出来れば含み損になる事は少ないかと思います。株価3200円計算で配当利回りは2.00(%)と高配当銘柄には劣りますが、一方で増配はかなり頻繁に実施されており、配当性向も現時点で10~15(%)と低めで余裕があることから、長期保有すれば取得金額に対して高利回りな株になっているかもしれません。

7.おわりに

ちょっとしたニュースでも異常な値上がりするケースが多く、「金余り相場此処に極まれり」というイメージが強くなってきています。ラジオ日経でもニュースでもゲームストップ株を始めとした「ミーム株」がよく話題になってますね。

私は長期投資というよりもチャートを見て比較的短期間で売買することの方が多いですが、それでも事業内容や業績をまるで無視するような事はしません。祭りに踊らされることなく、地に足を付けて頑張ろうと思います。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】エーザイ(4523)

1.はじめに

本日はストップ高になった日経225採用銘柄「エーザイ」について調べてみます。

2.事業概要

エーザイは製薬の大手で、ニューロロジー領域(神経)とオンコロジー領域(腫瘍、癌など)に注力している企業です。今回のストップ高は、米国のバイオジェンと共同開発するアルツハイマー認知症治療薬が承認されたというニュースを受けた結果のようです。この治療薬はニューロロジー領域の事業として開発されており、2021年3月期決算短信に本治療薬の承認申請が行われたことも明記されています。

オンコロジー領域はレンビマという抗がん剤が主力となっており、企業Webサイトによるとこの抗がん剤の承認取得国数は70を超えているそうです。

事業のセグメントは医薬品事業とその他事業の2種というほぼ単一セグメントですが、決算短信の報告セグメントは「日本」「アメリカス(北米)」「中国」「EMEA」「アジア・ラテンアメリカ」「一般用医薬品等(日本)」の6種に分類され、売上高と利益が公開されています。

3.業績分析

直近の通期業績と今期の会社業績予想を確認しましょう。5/12(水)に2021年3月期本決算が発表されています。

通期業績 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 695,621 645,942 681,000
(前期比) 8.20% -7.10% 5.40%
営業利益 125,502 51,766 58,000
(前期比) 45.70% -58.80% 12.00%
経常利益 128,063 52,551 58,500
(前期比) 43.20% -59.00% 11.30%
当期純利益 121,767 42,119 44,500
(前期比) 92.10% -65.40% 5.70%

2020年3月期は大幅な増益ですが、2021年3月期は大幅な減益になっています。上記の表には掲載していませんが、2019年3月期の営業利益と比べても約4割の減益です。それ以前と比べると、2016年や2017年と同水準の金額で決して順調に成長しているとは言えない実績です。

今期の会社業績予想も前期と比べると増収増益見込みではあるものの、決して高い成長率とはいえません。それでは、2020年3月期の増収の原因は何だったのか、報告セグメントの売上高と利益を見てみましょう。

日本 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 247,134 231,899 -6.16%
営業利益 94,198 83,869 -10.97%
アメリカス 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 127,931 142,801 11.62%
営業利益 59,969 64,679 7.85%
中国 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 77,004 85,080 10.49%
営業利益 32,767 40,396 23.28%
EMEA 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 53,651 55,240 2.96%
営業利益 22,990 25,695 11.77%
アジア 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 46,643 45,889 -1.62%
営業利益 15,961 18,639 16.78%
一般用医薬品 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 24,904 25,150 0.99%
営業利益 4,548 5,075 11.59%
その他事業 2020年3月期 2021年3月期 (前期比)
売上高 118,355 59,881 -49.41%
営業利益 108,525 51,485 -52.56%

その他事業が大幅な減収減益になっていることが分かります。決算短信の表外の注記を見ると、その理由がわかります。

米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のオプション権行使に伴う一時金12,885百万円(前連結会計年度は21,622百万円)及びマイルストン20,700百万円(前連結会計年度は54,559百万円)を含めています。

このオプション権の行使により、上手いこと利益を出せただけのようです。つまり、最新の営業利益を本企業の一般的な水準と考えた方が良さそうです。

4.財務分析

次に財務について確認していきましょう。日経225採用銘柄だけに変化の大きくないようなので、純資産と負債、資産の割合を円グラフで示します。

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自己資本比率64.5(%)で、そのうち利益剰余金は47.6(%)という高水準です。他の採用銘柄と比べないと分かりませんが、今まで調べてきた中ではダントツです。

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資産の内訳は極端にいずれかの資産に偏ることなく、バランスの良い配分になっています。製薬会社としてこれが妥当かどうかまでは判断出来ませんが、コロナショックなどのマネー周りの有事において、リスクはかなり抑えられるのではないでしょうか。

5.チャート分析

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流石にこの価格帯の銘柄がストップ高になると、訳の分からない値動きになりますね。例によってチャート分析は意味を為さないと思います。11月にも似たような急騰急落しているので、ほぼ同じような値動きをするのではないでしょうか。仮に明日も上昇したとしても、10000円台の節目近辺で下落すると思います。

6.まとめ

短期投資では、触らないことが一番だと思います。今回のストップ高を短期に取るとするならば、5/27(木)の出来高急増を察知して既に拾っておくべきケースです。もっとも出来高だけで急騰するかどうかは分かりませんし、この手のニュースによる急騰は取れないと割り切った方が良いと私は思います。

長期投資では、今買わないのは当然として、PERを株価7000円として計算しても約45倍の割高水準です。こういう急騰を除き、安定した株価上昇は見込めないように思います。実際、月足チャートを見ても順調に成長しているとは言えない株価変動になっています。配当利回りを株価7000円として計算すると2.28(%)で、同じ利回りで株価上昇も狙える他の銘柄があると思います。

そして、配当額は2020年3月期に10円増配して160円になったものの、2021年3月期は配当性向100(%)超過と何時減配してもおかしくない状況です。現金はあるのですぐに減配するということはないと思いますが、長期投資の方針には合致しないと思います。

7.おわりに

「バイオ企業には触るな」という認識を新たにしました。短期の高騰はまず取れず、長期は徐々に下落するからうま味が少ない、それは日経225採用銘柄でも同様ということでしょうか。株価はさておき、新型コロナにおいては遅れを取った日本の製薬会社ですが、日本の成長のためにも健康のためにも頑張って欲しいものです。今回のニュースが株価相応、企業の発展に繋がれば良いなと思います。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

今週の銘柄動向まとめ(6月6日)

1.はじめに

今回は先週までに紹介した銘柄について、前回記事の分析結果*1と実際のチャートを比較しようと思います。そして、分析と現実とどの程度一致していたのか、今後はどうすべきなのか、自分の考えを整理します。

企業分析の各記事は以下の通りです。記事を読んでいる事を前提として書きますので、気になる方はそちらもご参照ください。なお、個人の意見として買わない方が良いと考えている銘柄は分析しません。(特にニュースを受けて高騰した仕手株風味の銘柄)

  • AI inside(4488)*2
  • テクノホライゾン(6629)*3
  • QDレーザ(6613)*4
  • Abalance(3856)*5
  • ITbookホールディングス(1447)*6
  • アイキューブドシステムズ(4495)*7
  • サイバーリンクス(3683)*8
  • エアトリ(6191)*9

2.銘柄チェック

AI inside(4488)

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ストップ安から解放された後は、小幅に変動して現時点では少し戻しています。しかしながら、上値も下値も切り下げてきているので、まだ徐々に下げていくのではないでしょうか。仮に下がって行くとして、まずは10000円台を堅守できるのかどうか。2022年通期業績から算出した、およそPER60倍の株価です。

前回の分析通り、5/27を天井として下落し始めています。まだ5/18の下値を切り下げていないので反発する可能性もありますが、あまり期待しない方が良いと思います。

テクノホライゾン(6629)

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約2週間上げ続けましたが、金曜日に大きく下げました。出来高も徐々に少なくなってきていたのに、下落した金曜日だけは多めです。金曜日の寄りを天井として、目先は短期の移動平均線まで調整しそうな気がします。

分析は外れて前回陰線を付けた株価から反発しています。しかしながら、2度目の大陰線を付けて戻しており、まだ移動平均線とも乖離があるので、あと1週程度は横ばいになるのではないでしょうか。

QDレーザ(6613)

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分析時点ではもう少し下げ続けると考えていましたが、決算翌日の陰線を底値に反発してきています。マザーズ指数は5/17まで大きく下落していて、そこからの大幅反発をしているので、相場の恩恵を大きく受けたのかもしれません。

しかしながら、マザーズ指数は金曜日も上昇して終わったわりに、QDレーザは陰線で終わっています。決算が良かったわけではないので、直近の高値近辺である1700円を上抜けするのは難しいかと思います。仮に下落していくのだとしたら、まずは節目の1000円台。さらに下げるとすれば、上場直後の800円台が見えてきます。

逆に現在の相場に乗って上昇していくのなら、まずは前回の高値である1718円を超えるかどうか。そして、底値の1250円を切り上げるかどうか。これが達成できるかどうかをチェックしておくべきでしょう。

銘柄ニュース*10の影響で一時的に上昇しましたが、上昇は続きませんでした。6/3の上髭を見るに、上値は重そうに思います。一方で、下値は切り上げてきているので、直近で大きく売り崩れていくというのも少し考えにくいです。

しかしながら、6月のIPOラッシュが10日から始まるので、資金がそちらに流れることを想定しておいた方が良いかもしれません。つまり、業績だけでなく需給も下目線だろうというのが私の見解です。

Abalance(3856)

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「今回の決算の結果を受けて下落しなければ」と懸念していた通り、見事に崩れた形になりました。5/19の底値からは少し戻してきていますが、もう買いは狙わない方が良いと思います。

若干反発してますが、やはり買い圧は無いようです。来週以降は分析対象から除外しているかもしれません。

ITBookホールディングス(1447)

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黒字転換の決算を受けて翌日こそ出来高多く株価を上げましたが、500円で天井となり下落しています。出来高も決算翌日だけ多く、それ以降は平時よりやや多い程度の水準です。ひとまずは4月中旬以降に買った人たちの利益確定の売りや、3月以前に買った人たちの損切りなどで、450~500円近辺を横ばいに推移するのではないでしょうか。

のんびり待っていれば、1Q決算が出ます。前記事で書いたように、業績予想の進捗率を見てから判断すると良いと思います。

現在株価は分析よりもさらに下回って現在433円となっています。25日移動平均線や75日移動平均線をサポートラインとして、しばらく横ばいが続くのではないでしょうか。

アイキューブドシステムズ(4495)

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やはり、5000円台で一旦頭打ちになりました。ここを上抜けするか再度下落するかで方向性が決まってくると思います。そして、方向性が決まるまでは手を出さない方が無難だと思います。

6/1に高値5300を付けた後に反落しています。上値は切り上げているので徐々に上昇トレンドに転じるかもしれません。しかしながら、下値の切り上げはまだ確認できていないので、手は出さない方が良いと思います。

エアトリ(6191)

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2Q決算発表当日を底値に急激に株価が高騰しています。業績に沿った買いが入ってきているものと思いますが、直近は20日移動平均線から大きく乖離しているので、今買うのは高値掴みになる可能性が高いです。

それでも各移動平均線は上向きの上昇トレンドなので、多少高値掴みしてもそのうち株価は戻るのではないでしょうか。良業績なのもあって買いはしばらく続きそうです。ただし、コロナショック前の高値は大きく更新しているので、状況が変わったと思ったら降りることも大事だと思います。

株価の節目3000円台で頭打ちになり、下落してきています。しかしながら、陰線になっていても大きく値崩れすることなく、下髭のローソク足も見受けられ、出来高も多いままなので、そうとう買い圧は大きいのではないかと推測します。25日移動平均線が近付いてきたら、買いを入れても良さそうな気がします。

3.おわりに

現在、紹介した銘柄のうち、購入したのはサイバーリンクスのみです。なお、エントリー後に下落する想定はありましたが、想定以上に下落幅が大きいという状況です。自分の中でどうするべきかある程度考えていますが、保有中の銘柄であるため今後の見解は書きません。現在分析を続けている銘柄も、エントリー後は分析記事を掲載しない予定です。

なお、本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

【企業分析】ファーマフーズ(2929)

1.はじめに

今回は6/4(金)のイチオシ決算*1として取り上げられたファーマフーズについて調べてみます。

2.事業概要

ファーマフーズは「機能性食品素材の開発・販売」「通信販売事業」「バイオメディカル事業」の3事業を展開しています。

機能性食品素材の主力商品は「ファーマギャバ」「ボーンペップ」「葉酸たまご」など9種類が販売されています。通信販売事業は「エアカラーフォーム」などの化粧品、「ニューモ育毛剤」、「ニューモサプリ」などのサプリを販売しています。バイオメディカル事業はニワトリから抗体医薬品を作るなどの開発をしているようです。

3.業績分析

まずは昨年9月に発表された通期業績から確認していきます。

通期業績 2018年7月期 2019年7月期 2020年7月期
売上高 7,943 10,532 15,353
(前期比) 68.20% 32.60% 45.80%
営業利益 296 576 740
(前期比) 231.40% 94.40% 28.40%
経常利益 359 636 788
(前期比) 150.00% 77.20% 23.90%
当期純利益 313 499 690
(前期比) 209.60% 59.40% 38.20%

上記の表は3年分の通期業績の実績です。売上高も営業利益も大幅な増収増益になっています。売上高は2015年から連続3桁成長、営業利益は2017年に黒転してから2倍前後で成長しています。2015年の売上高と比べると現在の売上高は7倍になっており、本企業の成長力の高さが分かります。

次に会社の通期業績予想を確認します。昨年9/7に発表した後、11/16に業績の上方修正をしています。

2021年7月期 9月7日時点 11月16日時点
売上高 23,357 40,014
(前期比) 52.10% 160.60%
営業利益 1,166 2,088
(前期比) 57.70% 182.20%
経常利益 1,219 2,148
(前期比) 54.50% 172.60%
当期純利益 815 1,404
(前期比) 18.00% 130.20%

修正前でも成長力は衰えていませんが、修正後はこれまで以上の水準で成長しています。最新の3Q連結実績は337億円で進捗率84(%)となっており、営業利益は既に超過しています。この成長の裏には何があるのでしょうか。2021年7月期3Q時点のセグメントの売上高と利益を調べてみましょう。単位は千円です。

機能性素材 2019年7月期 2020年7月期 (前期比)
売上高 1,808,961 1,927,937 6.58%
営業利益 610,537 494,712 -18.97%
信販 2019年7月期 2020年7月期 (前期比)
売上高 9,045,641 31,469,981 247.90%
営業利益 -416,613 2,562,912 -
バイオメディカル 2019年7月期 2020年7月期 (前期比)
売上高 168,157 350,228 108.27%
営業利益 -14,739 128,894 -

機能性素材事業は減益になっている一方で、通信販売事業とバイオメディカル事業が黒転しています。特に通信販売事業の売上高の伸びが凄まじいですね。

決算説明資料によると、ニューモ育毛剤の売上高が1Qから3Qで1.7倍になっており、この大幅な増収増益に貢献しています。決算短信の定性的情報によると、この増収増益の要因は、テレビCMやWeb広告、新聞広告など販売に向けての投資を積極的に行った結果とのことです。

4.財務分析

積極的な投資というからには資金が動いているはずです。貸借対照表を確認してみましょう。

  • 利益剰余金が約12億円増加。(約2.2倍)
  • 短期借入金が約25億円増加。(新規)
  • 長期借入金が約6億円減少。(約27%減)
  • 未払金が約30億円増加。(約5倍)
  • 現金が約43億円増加。(約2.3倍)
  • 売掛金が約19億円増加。(約86%増)
  • 商品が約9億円増加。(約59%増)
  • 投資有価証券が約1.7億円増加。(約2.2倍)

やはりお金の動きが激しいですね。短期借入金をかなり調達しているあたり、短期勝負で事業拡大していこうとしているように見えます。

投資有価証券はさほど増えておらず、一方で商品の在庫が積みあがってるあたり、M&Aではなく自社自身の事業拡大を目指していることも分かります。

5.チャート分析

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直近は25日も75日も移動平均線が下向きになり、下落トレンドに入りかけています。現在株価は5/13の下値2926円も切り下げており、この点でも下落目線です。

長期目線だとコロナショック後から継続して上昇トレンドになっており、現時点はややそのトレンドが否定されつつあると言ったところでしょうか。

6.まとめ

短期投資では、下値も上値も更新しなおすまで様子を見た方が良いのではないでしょうか。どちらも切り返す程度で上昇トレンドが再開するでしょう。

長期投資では、現在の売上高ブーストが来期以降も続くかどうかと言ったところだと思います。現在株価でもPERは約60倍程度で、まだまだ割高ではあります。成長が続かなければ、上昇トレンドが終了して下落トレンドに向かうと思います。まずは、9月の通期業績まで待った方が良いのではないでしょうか。

7.おわりに

M&Aではない大幅な事業成長は久しぶりに見た気がします。育毛剤だけだと事業拡大を継続するのは難しいと思いますので、次の主力商品として何を打ち出してくるのかは気になるところです。通期業績の発表される9月が楽しみです。

本記事は本銘柄の売買を推奨するものではありません。売買を止める意図もありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。